公益財団法人 地球環境センター
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2009年度「JICAクールアースパートナーシップセミナー」が終了

 気候変動問題(地球温暖化)は、国境を越えて人間の安全保障を脅かす差し迫った課題であり、国際社会の一致した取組の強化が急務となっています。
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書統合報告書(2007年11月公表)では、各国が現在の気候変動の緩和政策および持続可能な開発を実践しても、世界の温室効果ガス排出量は今後数十年間増加し続け、温室効果ガスの排出が現在以上の速度で増加し続けた場合、21世紀にはさらなる温暖化がもたらされ、その規模は20世紀に観測されたものより大きくなる可能性が非常に高いと予測しており、この問題の深刻さと速やかな対応の必要性を示唆しています。
 こうしたことから、我国は、世界の気候変動対策の実効ある推進を念頭に、「クールアース推進構想」を2008年1月に発表し、@温室効果ガスの削減目標の公平さを確保し、主要排出国とともに国別総量削減目標を掲げて取り組むこと、A世界全体で2020年までに30%のエネルギー効率の改善を実施することや100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアース・パートナーシップ)を構築することなどを表明しました。
 今回のクールアースパートナーシップセミナーは、この推進構想の一環として、パートナーシップ国中央政府の気候変動枠組条約の担当者(または気候変動対策の担当者)及び開発援助の担当者を対象に、各国の気候変動対応能力の強化を目的に、実施されたものです。(実施:(独)国際協力機構(JICA)、 研修受託:(財)地球環境センター(GEC))
4月には中南米を対象としたスペイン語圏地域(Aコース)、7月にはその他のアジア、アフリカ、中南米などの地域(Bコース)の国々を招きました。各国は研修の成果を活用して具体的な気候変動対策の構築に向けてのレポートを作成し、その実現に向けてのプロセスや課題について討議しました。
 去る7月24日にBコースの閉講式が終わり、本セミナーの全日程を終了しました。

    1.研修期間
      Aコース 2009年4月9日〜4月24日 (うち技術研修 4月13日〜4月23日)
      Bコース 2009年7月9日〜7月25日 (うち技術研修 7月13日〜7月24日)

    2.使用言語
      Aコース スペイン語
      Bコース 英語

    3.対象国
      Aコース コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ペルー、ドミニカ共和国、ウルグアイ  ・・・6ヶ国
      Bコース ベリーズ、ブルンジ、グルジア、ガイアナ、モンゴル、ナイジェリア、セルビア、スリナム、東ティモール、トーゴ、ベトナム  ・・・11ヶ国

    4.研修概要:
      東京: 日本政府レベルの気候変動政策に関する講義と施設見学等(3日)
        (外務省、環境省、国土交通省、気象庁、(独)海洋研究開発機構ほか)
      大阪: 気候変動に関する国際的取り組みのフレーム、国際機関による気候変動適応策に関する講義及びGECによるクリーン開発メカニズム(CDM)に関する講義と民間企業を交えたディスカッション(1日)
      施設見学(省エネビル、廃木材のエタノール化施設、畜産廃棄物堆肥化及びメタン発電施設など)(1日半)
     
    5.研修員のファイナルレポート発表など
       各国からは「気候データバンクの強化と近代化」、「生活用水集積システムの導入」、「洪水による自然災害の予防」、「沿岸地の地下水の気候変動への脆弱性」、「森林CDMプロジェクト能力開発」、「ソーラー発電パイロットプロジェクト」(以上Aコース)、また、「国家気候変動対策議会の設立と国家温室効果ガス削減活動計画の策定」、「森林保全の啓発と果樹植林活動の推進」、「豪雨によるハザードマップの作成と灌漑施設の改善による予防」、「木質燃料使用の効率化と再植林の推進」、「サバナ地帯の砂漠化防止のために植林活動(1本の切り倒しに10本の苗木の植林)の創設」、「環境教育啓発(植林、3R、伝統的環境保全策などの普及)の推進」、「木質燃料削減プロジェクト」、「CDM関係人材の育成、太陽熱利用CDMプロジェクトの推進」、「気候変動問題への関心の惹起のための効果的なキャンペーン」、「温室効果ガス国家削減行動のための戦略的計画策定」(以上Bコース)に関するファイナルレポートが発表されました。
       各研修員は帰国後、発表されたファイナルレポートを基にアクションプランの作成に向けて活動することが期待され、地球環境センターでは、その実施状況等の報告を集めることとしています。
       また、各研修員は地球環境センターが運営するJICA-GECネットワークにより日本の最新情報や他の研修コースの情報などをオンラインで入手できることとなり、帰国後の温暖化対策に関する情報支援を受けることができます。

    6.研修員の感想など
       今回の研修は2週間で、しかも、日本政府の気候変動政策やアースシミュレーターの視察を東京、横浜で行い、大阪では、より実際的な温暖化対策としてクリーン開発メカニズム(CDM)の実例紹介と事業実施者との討議、廃材バイオエタノール製造施設などの視察を行うなど、大変忙しい研修でした。
      研修員の8割以上が、講義の質が高いと評価し、施設見学への満足度は9割でした。さらに、研修員が相互の議論が役に立ったとする研修員も8割に達し、大変評価が高い研修となりました。しかしながら、半数以上の研修員が研修期間が短かすぎると回答していました。
       また、日本人の礼儀正しさ、もてなしの心、組織だった仕事、勤勉性、個人の欲求やニーズを超えた献身など、日本への評価も高いものでした。

    7.研修協力機関
      研修にあたって多くの企業関係者の皆様に協力をいただきました。
      厚く御礼申し上げます。

      協力機関: アジア太平洋地球変動研究ネットワーク、(独)海洋研究開発機構横浜研究所、(株)環境総合テクノス、関西電力(株)、(有)クライメート・エキスパーツ、住友商事(株)、南丹市八木バイオエコロジーセンター、バイオエタノール・ジャパン関西(株)、三菱東京UFJ証券(株)、他

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