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二国間クレジット制度等新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名調査区分JCM実現可能性調査(FS)
調査名石炭火力発電所における保温施工及び復水器洗浄の効率改善
調査年度2013(平成25)年度
調査団体関電プラント株式会社
調査協力機関第3火力発電所、第4火力発電所、エネルギー省、自然環境グリーン開発省
調査対象国・地域モンゴル・ウランバートル
対象技術分野省エネルギー
報告書

※JCM方法論(案)及びPDDは、調査の結果として開発されたものであり、二国間クレジット制度の下で適用することについて正式な承認が得られたものでも、将来承認が得られることを保証するものでもありません。

<調査成果としてのJCM方法論(案)> <調査成果としてのJCMプロジェクト設計書(PDD)(案)>
プロジェクトの概要本FS調査では、第3火力発電所(以後、CHP-3とする)&第4火力発電所(以後、CHP-4とする)に対して、調査訪問を実施し、主要設備の既設保温材の熱診断による省エネ検討、復水器細管洗浄に係る省エネ検討及びMRVの実現可能性などを精査し、プロジェクト実現可能性を検討した。
JCM方法論適格性要件● 「増し保温」による保温施工:
要件1: プロジェクト活動は、「増し保温工法」による火力発電所の熱・電力供給設備の表面からの放散熱量を保温施工事業であること。
要件2: プロジェクト活動の対象は、既存熱・電力供給設備に対して適用できること。
要件3: プロジェクトの施工方法は既存保温材(アスベストなど)を撤去せずに施工できる工法でありプロジェクトで使用する保温材はアスベストが含まれていない保温材であること。
要件4: プロジェクトの保温施工は、労働安全衛生法に合致していること。
要件5: プロジェクト活動で使用する保温材は、−40℃〜+650℃の使用温度域で適用できること。
要件6: プロジェクト活動で使用する保温材の熱伝導率は、以下に示す熱伝導率であること。
平均温度
熱伝導率
F
C
Btu・in/hr・ft2・F
W/m・K
75
23.9
0.14
0.021
100
37.8
0.15
0.022
200
93.3
0.16
0.023
300
149
0.18
0.025
400
204
0.20
0.029
500
260
0.22
0.032
600
316
0.25
0.036
700
371
0.30
0.043
● 「ブラシ打込み洗浄工法」による復水器洗浄作業:
要件1: リファレンス活動は、タービンユニットの運転停止中における復水器細管洗浄を高圧放水により、行っていること。
要件2: プロジェクト活動は、全復水器細管にブラシを挿入し、洗浄ガンにより高圧水でブラシを打込み、洗浄作業を行うことで、復水器細管洗浄の効率改善を図ること。
要件3: プロジェクト参加者は、「ブラシ打込み洗浄(プロジェクト活動)工法」と、「従来方式(リファレンス活動)」による復水器細管洗浄法を比較して、50%以上の水使用量(排水量)の低減が図れる事を示す信頼性のある根拠を以下のいずれかの方法でEvidenceにより正当化すること。
 モンゴル国の発電所での、「ブラシ打込み洗浄工法」による事前デモンストレーション活動
 日本国の発電所での実証データ
デフォルト値の設定● 【増し保温による保温施工】:
■当該火力発電所のボイラ効率
最も保守的な値(ボイラ効率=1.0)としている。
■石炭のCO2排出係数
“2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventory”に記載されている褐炭のデフォルト値(0.101tCO2/GJ)を採用。
■消火水ポンプ及び排水ポンプのポンプ効率
最も保守的な値(ポンプ効率=0.9)を設定。
■消火水ポンプ及び排水ポンプの使用時の三相誘導電動機効率
最も保守的な値(電動機効率=1.0)を設定。
● 【「ブラシ打込み洗浄工法」による復水器細管洗浄】:
■発電所の送電端電力量当たりの比率石炭消費原単位(g/kWh)及び2006年IPCCの国家温室効果ガスインベントリーのガイドラインによる褐炭のCO2排出係数のデフォルト値(0.101tCO2/GJ)から算定している。
リファレンス排出量の算定● 【「増し保温による保温施工】:
本方法論では、主蒸気配管の保温施工部位の入口/出口の熱量の差を基に、保温効果に伴う主蒸気配管からの放散熱量の低減量を定量化し、低減量に相当するボイラ燃料である石炭消費量削減から排出削減量を算定することとした。
なお、主蒸気配管以外の5設備における、保温施工による低減熱量は設備の形状、表面の形状、規模、放散状況、周辺の環境など、全く異なる状況であり、それぞれ、分けて定量化することとした。
● 【「ブラシ打込み洗浄工法」による復水器細管洗浄】:
そこで、タービンユニット停止期間中において、「従来方式」と「ブラシ打込み洗浄工法」で、細管1本当りの使用水量を計測する。この使用水量を基に、ポンプ電力消費量は電力消費量の推計式を用い、消火ポンプと排水ポンプの追加的な電力消費量を算出し、リファレンス排出量もプロジェクト排出量もそれぞれ定量化する。
モニタリング手法●【「増し保温」による保温施工】:
1) 保温施工後、モニタリング期間毎回、モニタリングが必要なパラメーター:
各熱・電力供給設備毎の保温材施工面積 [m2]
施工後の主蒸気配管出口の総蒸気流量 [103 ton/y]
2) 保温施工後、1回目のモニタリング期間のみ、モニタリングが必要なパラメーター。なお、本パラメーターは、2回目のモニタリング期間以降は固定値として取扱う。:
施工後の主蒸気配管入口/出口の年間平均エンタルピー [kJ/kg]
サーモグラフィのサンプリング計測による、各熱・電力供給設備毎の保温材施工部分の平均表面温度 [K]
施工前における、各熱・電力供給設備毎の施工予定部分の平均表面温度 [K]
施工前の、各熱・電力供給設備毎の周辺環境温度 [K]
施工前における、サーモグラフィのサンプリング計測による、導入保温材の放射率 [Fraction]
3) 保温施工前に、モニタリングが必要なパラメーター。なお、本パラメーターは、クレジット期間を通じて、固定値として取扱う。:
施工前の主蒸気配管入口/出口の年間平均エンタルピー [kJ/kg]
サーモグラフィのサンプリング計測による、各熱・電力供給設備毎の保温材施工部分の平均表面温度 [K]
施工後における、各熱・電力供給設備毎の施工部分の平均表面温度 [K]
施工後の、各熱・電力供給設備毎の周辺環境温度 [K]
施工後における、サーモグラフィのサンプリング計測による、各熱・電力供給設備毎の既存表面からの放射率 [Fraction]
● 【「ブラシ打込み洗浄工法」による復水器細管洗浄】:
1) モニタリング期間内のタービンユニット運転停止毎に、モニタリングするパラメーター:
当該発電所のタービンiの復水器細管洗浄作業回数
2) 1回目のモニタリング期間内のタービンユニット運転停止期間中に、モニタリング実施するパラメーター:
プロジェクトの開始後の1回目のモニタリング期間のタービンユニット運転停止期間中における、プロジェクト方式による復水器細管洗浄(消火水ポンプの)による、タービンiの1回の復水器細管洗浄作業で、細管1本当たりの使用水量
3) タービンユニッ運転ト停止期間中に、モニタリング実施するパラメーター:
プロジェクトの開始前のタービンユニット停止期間中における、従来方式による復水器細管洗浄(消火水ポンプの)による、タービンiの1回の復水器細管洗浄作業で、細管1本当たりの使用水量
GHG排出量及び削減量2016年〜2025年の合計値としては、以下の通りである。
リファレンス排出量(推計)プロジェクト排出量(推計)排出削減量
(推計)
CHP-3代表ユ二ットでの保温施工
NA
NA
22,600tCO2e
CHP-3&CHP-4での復水器細管洗浄
50tCO2e
20tCO2e
30tCO2e
環境影響等当該事業・活動は、発電所の効率改善のため、石炭使用による大気汚染の周辺・越境影響軽減といった好影響を与えるものであり、稼働時の環境への悪影響は特にない。なお、設備改良工事は発電所のごく一部で、足場を組むなど程度であることから、周辺環境への影響はほとんどない。そのため、悪影響の回避のための措置は特にない。
事業計画初期投資金額:274百万円
増し保温(エコ・エイム工法)180百万円
ブラシ打込み洗浄(らくちんガン装置)工法
74百万円 
MRV活動支援
20百万円 
年間維持管理費:7百万円(主に「らくちんガン装置」の消耗品、品、MRV活動支援費用))。
● 現地着工開始は平成27年7月。
● 工期(リードタイム)は概ね8ヶ月。
● 稼動開始時期は平成28年4月。           
日本技術の導入可能性● 「エコ・エイム工法(増し保温)」による保温施工:
エネルギー省の局長から、「エコ・エイム工法(増し保温)」による保温施工は、CHP-3&CHP-4以外の火力発電所及び熱供給会社他一般のプラントにも水平展開が望める旨の助言を受けている。
● 「らくちんガン装置工法」による復水器細管洗浄:
エルデネット&ダルハン火力発電所から、この「らくちんガン装置」を使用すれば復水器の細管洗浄の使用水量(排水量)が従来方式」の細管洗浄と比べ、50%以上削減でき、且つ、細管内の異物の完全除去が証明できれば、採用したいというニーズがある。
ホスト国における持続可能な開発への寄与モンゴル国の既存の発電所にパイロジェルXT10mm保温材を用いた「エコ・エイム工法(増し保温)」による断熱保温施工を実施することで、既存の設備の延命効果が図られる。発電所が所要の能力を発揮しつつ、設備が継続的に使われることは、社会的に追加的な費用の発生が抑えられ、モンゴル国の持続可能な開発へ貢献する。また、モンゴル国の既存の発電所に「らくちんガン装置」を導入することにより、使用水量及びポンプの消費電力が低減され、且つ、復水器細管洗浄の作業環境の大幅な改善が見込まれる。

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