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2012年度 新メカニズム・CDM実現可能性調査の改善について(提案)

改善提案の概要

1.新メカニズム実現可能性調査(FS)
  • 新メカニズムFS(二国間オフセット・クレジット制度(BOCM)FS)では、調査の最終報告書に加え、BOCM方法論の作成を成果としてはどうか。BOCM方法論として、GHG排出削減量算定に当たっての前提条件やモニタリング項目を明示し、計算プロセスを詳細に記した「詳説」、及びそれに基づきモニタリング結果を入力するだけで排出削減量が自動計算される「排出削減算定表」の提出を求めてはどうか。
  • 新メカニズムFSでは以下の2つの区分で案件を募集してはどうか。

    【アップグレードFS(仮称)】
    • BOCMを通じたホスト国における気候変動緩和事業・活動の実施を促進するために、実際の排出削減効果を具体的に明示する調査を実施してはどうか。すなわち、事業・活動の実稼働下における、排出削減効果の実測と定量化をするとともに、その定量評価に係る検証までを行う「アップグレードFS」(仮称)を採択対象としてはどうか。
    • BOCMの下では、ホスト国側の当該案件実施主体によるモニタリング活動、並びにホスト国側の検証機関等によるGHG排出削減量の検証を促進することが重要となることに鑑み、アップグレードFSでは現地側カウンターパートによるモニタリング及び現地側検証機関による検証(Verification)を行ってはどうか。
    • アップグレードFSでは、実際にモニタリングを行うことを踏まえ、原則としてアップグレードFSの応募提案時に使用するBOCM方法論案の提出を求めてはどうか。
    • 実際にホスト国においてモニタリング及び検証を行うことを踏まえ、アップグレードFSの調査費については、従来FSよりも高く設定してはどうか。
    【従来型のFS】
    • 従来型のFSについても、2013年以降のBOCMの早期稼働を視野に入れ、事業・活動の実施が決定(設備投資が既に決定)されている案件を優先的に採択してはどうか。
  • 多岐にわたる調査課題に対応するために、共同企業体(JV)による調査提案・調査実施を認めてはどうか。原則として、契約締結までにJV設立協定が整備されていることが条件。

2.CDM実現可能性調査(FS)
  • CDM FSは、CDMが将来に亘って、開発途上国の持続可能な開発への貢献と気候変動緩和策としての意義とが重要であるため、平成23年度と同様の公募を継続してはどうか。

※BOCMに関する情報については、「新メカニズム情報プラットフォーム」を通じても提供されております。


]1.新メカニズム実現可能性調査 背景:  GECでは環境省の委託を受けて、日本政府が2013年以降の導入を提案している新たな市場メカニズムとしての二国間オフセット・クレジット制度(BOCM)に関して、ホスト国におけるGHG排出抑制を実現する事業・活動の実施促進を目指して、平成23年度の「新メカニズム実現可能性(FS)」を実施しています。FS実施に当たり、日本国内の民間事業者等から案件を公募し、第三者専門家委員会での審議を経て、29件の新メカニズムFSを採択して、実施してきました。一方、BOCMはまだ具体的な制度設計ができていない状況にあるため、その制度設計に関する国内外での議論と国際交渉での我が国のリーダーシップ発揮に寄与する知見の集積、特にBOCMに関する国際的なルール作りに資する排出削減効果の定量化手法(新たな計算方法及びモニタリング手法等を含む)や測定・報告・検証(MRV)手法の提案等についての調査成果が期待されています。  しかしながら、平成23年度FS案件はその大半が事業・活動の実施が決定されている案件ではないため、調査成果は各種の仮定条件下における試算や推定段階に留まるものが多くなっております。事業・活動の実施前にその実現可能性(経済的収益性も含む)を調査することが、実現可能性調査の主な目的の一つであることは否定できませんが、実際に稼働させること、その結果ホスト国においてどれだけの排出削減効果が達成されるのかを具体的に提示できないものが多いことも事実です。BOCMがホスト国との二国間協定を前提に成立する制度であることから、2013年度からBOCM事業・活動を実際に稼働させることを目指すことを前提とすれば、ホスト国側に対して実際のGHG削減効果を明示することがBOCM実施のための二国間協定締結に向けた重要なポイントとなります。  そのような観点から、FSの枠内においても、既に我が国の低炭素型技術が適用され、あるいは我が国から資金提供(投資を含む)され、GHG排出抑制を実現しつつある事業・活動のGHG排出量を実際に計測し、その効果を具体的に明示することが重要であると考えます。また、実稼働している事業・活動によるGHG排出削減量を計測することは、想定されている(提案される)MRV手法の適用可能性を検討する上でも、またBOCM事業・活動に適用されるBOCM方法論の妥当性を判断する上でも、有用な取り組みであると考えます。さらに、このBOCM方法論が、測定・報告・検証(MRV)を確保するものであることを示すためには、GHG排出削減量の計測結果(定量評価)に対して、検証を実施することも重要となります。  以上に示した状況及び教訓から、下記に示す新メカニズム実現可能性調査の改善方策を環境省に提案しました。 改善提案: (1)アップグレードFS(仮称)を、下記に示すように実施してはどうか。  GHG排出削減量の定量化のためのモニタリング活動が、当該案件を実施する上で、経済的に(あるいは商業的に)フィージブル(実施可能)となりえるかどうかを見極めることに加えて、そのモニタリング結果から示されるGHG排出削減効果とその定量評価が検証可能であり、それらを担保することができるBOCM方法論が構築されることを目指す。この意味で、当該案件がGHG排出削減事業・活動としての実現可能性を判断するための調査となることから、従来のFSよりもさらに一歩進めたものでありながらも、FSとして位置付けられる。したがって、これを従来のFSと区別するために、「アップグレードFS」(仮称)とする。アップグレードFSでは下記(2)の従来型FSの調査項目に加えて、以下の調査項目を実施する。 原則として、既稼働案件を対象として、事業・活動の実稼働下におけるGHG排出削減量の定量化を実施することを含めたFSを実施する。 特に、リファレンスGHG排出量及び事業・活動実施時のGHG排出量のモニタリング、及びそのモニタリング結果からのGHG排出削減量の算定は、現地での当該案件実施主体によって実施されることが、GHG削減事業・活動を進めていく上での重要ポイントとなることに鑑み、現地側カウンターパートとしてモニタリング実施主体を含めることとする(JVへの参加、又は外注先となることを想定)。これにより、現地におけるGHGモニタリングにかかる能力開発・向上に資するものとする。 同様に、当該案件がBOCM事業・活動として機能するためには、GHG排出削減量の検証が行われることを見極める必要がある。この検証についても、現地の検証機関(DOEあるいはISO認証機関等)によって実施されることが、BOCMの運用においては重要となることに鑑み、当該FSにおいてGHG排出削減量の検証を実施することとする(検証機関は外注先となることを想定)。これにより、現地におけるGHG排出削減量の検証にかかる能力開発・向上に資するものとする。 FSの調査項目としては、下記(2)「従来型FS」の調査項目に加え、実稼働下における当該事業・活動によるGHG排出削減量のモニタリング結果及びGHG排出量の定量的算定結果を含め、さらに調査の中で開発するBOCM方法論を実際に適用し、その適用可能性を示すとともに、適用した結果課題となる事項(当該BOCM方法論の適用を通じて得られるMRVの効果を含む)を洗い出し、改善版の方法論を提案する。 なお、当該案件に適用可能なBOCM方法論が日本の関係省庁から示される場合には、その方法論の適用可能性と適用する場合の課題等についても明確化する。  また、アップグレードFSの契約の形態、金額等については以下のとおり。 契約当事者は、原則として事務局と当該調査統括主体となる日本法人(民間事業者、NGO/NPO、公益法人等)とする。 ただし、より質の高い調査成果を挙げるためには複数団体による共同調査が効果的であると判断できる場合は、共同企業体(JV)が契約主体となることを認める場合がある。 JVが契約主体となる場合であっても、契約締結前にJV参加法人の間でJV設立協定を締結していることが必要である。また、当該JVは日本国内法に基づき、日本国内で設立されたものでなければならない。 調査費については、下記(2)よりも高くする。 採択要件:下記(2)の(a)〜(g)に加え、下記の要件を満たすこと。 原則として、既稼働案件に対する調査であること。 対象とする既稼働案件によるGHG排出削減効果を定量評価するための、実際のモニタリング活動を実施できること。 GHG排出削減効果の定量評価結果に対する第三者機関による検証が、調査内容に含まれていること。 優先採択要件:下記(2)の優先採択要件に加え、原則として応募段階でBOCM方法論案が策定済みである案件。 日本との国際交渉が進んでいる国を重点国として設定し、重点国の案件を優先的に採択する。 (2)従来型FSについては、下記に示す内容改善を含めて、継続実施してはどうか。  BOCMを通じて日本の優れた環境技術の移転を促進するにあたり、事業・活動の実施前にその実現可能性(経済的収益性も含む)を調査することもまた重要であることに鑑み、平成23年度に実施した「新メカニズム実現可能性調査」も引き続き、実施する。ただし、BOCMの制度構築に寄与し、かつ早期の制度稼働後の実稼働案件に適用するための調査結果が求められるため、調査項目等に関して内容の改善を行う。 主な調査項目: BOCM方法論:調査の中で方法論を開発する。<新規> なお、BOCM方法論を適用することで、当該案件のGHG排出削減効果に対するMRVが確保されることを想定する。(つまり、BOCM方法論としては、MRV手法が含まれるものとして開発することが求められる。) リファレンスシナリオの設定方法 モニタリング方法(新たな手法の提案を含む) GHG排出削減量の計算方法(新たな方法の提案を含む) 環境十全性確保のための措置 持続可能な開発への貢献  これらに加え、適用可能なBOCM方法論が日本の関係省庁から示されている場合には、その方法論の適用可能性についても調査対象とする。 平成23年度に複数年の調査として提案され、採択された案件については、(1)として応募されない場合であっても、(2)での公募対象とする。ただし、採択審査に当たっては、平成23年度の調査成果、及び応募内容(調査提案内容)を踏まえ、総合的に判断するものとする。 採択要件: (a)ホスト国が気候変動枠組条約(UNFCCC)を批准していること (b)ホスト国において、現地カウンターパート(政府、団体、企業等)が存在していること (c)事業実施に伴って、他の環境側面・社会側面に悪影響を及ぼすおそれがないと考えられるもの (d)調査対象事業・活動によるGHG排出削減量を計算する新たなBOCM方法論(GHG排出削減量に関するMRV効果を担保できるもの)の開発が期待できるもの (e)ホスト国の関連法制度・政策・戦略等と調査対象事業・活動との整合性が確認できるもの (f)ホスト国の環境汚染対策(特に大気汚染対策、水質汚濁対策、及び廃棄物管理)等の実現に寄与するもの (g)ホスト国の持続可能な開発の達成に貢献するもの 優先採択条件 (i)BOCMで実施するのが適切であると思われるもの (ii)日本の技術の移転が図られるもの (iii)事業化(設備投資)が決定しているもの<新規> (iv)ホスト国における基礎調査が既に実施済みであり、その調査結果が良好なもの (v)調査対象事業・活動の実施体制・資金計画等の提案に具体性が備わっているもの (vi)ホスト国内及びホスト国外への高い波及効果が期待できるもの (vii)ホスト国政府との協力関係が既に構築できているもの 契約当事者は、原則として事務局と当該調査統括主体となる日本法人(民間事業者、NGO/NPO、公益法人等)とする。 ただし、より質の高い調査成果を挙げるためには複数団体による共同調査が効果的であると判断できる場合は、共同企業体(JV)が契約主体となることを認める場合がある。 JVが契約主体となる場合であっても、契約締結前にJV参加法人の間でJV設立協定を締結していることが必要である。また、当該JVは日本国内法に基づき、日本国内で設立されたものでなければならない。 []2.CDM実現可能性調査 背景:  日本政府は2013年以降の京都議定書第2約束期間への不参加を表明し、CMP7決定ではロシア・カナダとともに第2約束期間の削減数値目標が設定されないことが明確にされましたが、現行の京都議定書の規定では、第2約束期間に参加しない附属書I締約国が京都議定書上に規定されているCDMのプロジェクトを承認できないという規定はないため、これまでの日本の事業者等のCDMに対する取組みを継続させることの重要性に鑑み、引き続きCDMの制度的改善を含めたプロジェクトの開発・実施を支援することが重要であると考えています。  特に、日本は、CDM理事会の設立当初から常に理事を輩出し、その制度発展・改善に貢献してきました。我が国は今後もCDMの制度改善と更なる発展に寄与することが求められます。日本が京都議定書第2約束期間には参加しませんが、決して日本はCDMを否定する立場を取っている訳ではなく、新たなメカニズムとしてBOCMを提案してはいるものの、それはCDMでは対処できていない排出削減ポテンシャルを、日本の先進技術によって掘り出そうという姿勢の表れであり、CDMそのもの否定しているわけではありません。  2013年から2020年までの間、京都議定書第2約束期間に参加しない日本がCDMをどのように活用できるのかは、現時点では不明ですが、これまで培ってきたCDMに対する経験に基づき、制度を発展的に改善していくことに寄与することは必要であると考えます。  以上より、平成11年度から実施している「CDM実現可能性調査」については、継続して実施することを環境省に提案しました。 提案:  CDM FSを下記に示す内容で、継続実施してはどうか。 調査区分:平成23年度と同様の調査区分で実施する。 (ア)新方法論開発・方法論改訂を行う案件 (イ)標準化ベースラインの開発を行う案件 (ウ)CDMプロジェクトの地理的不均衡是正に寄与する案件 (エ)プログラム型CDM(PoA)案件 採択要件: (a)CDMプロジェクトとして実現可能性があること(ホスト国が京都議定書を批准していることも含む) (b)有効化審査を目指したPDD(PoA-DD・CPA-DD含む)の作成が視野に入っていること (c)ホスト国において、現地カウンターパート(政府、団体、企業等)が存在していること (d)プロジェクトで採用する技術が実用化されていること (e)事業実施に伴って、他の環境側面・社会側面に悪影響を及ぼすおそれがないと考えられること (f)((ア)区分のみ)調査成果物としてのCDM新方法論又は改訂CDM方法論の作成が視野に入っていること (g)((イ)区分のみ)調査成果物としての標準化ベースライン案の作成が視野に入っていること 優先採択要件: (i)公的支援の必要性が高いと認められるもの (ii)CDMプロジェクトの実現可能性が客観的に高いと認められるもの (iii)排出削減量の算定根拠、クレジットの想定価格が妥当であるもの 【本件に関するお問い合わせ先】  公益財団法人 地球環境センター(GEC)   事業部 気候変動対策課  〒538-0036 大阪市鶴見区緑地公園2-110  TEL:06-6915-4122  FAX:06-6915-0181  Eメール:cdm-fs@gec.jp
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