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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名アンゴラ・放棄産業植林地の植生回復によるREDD+と木質チップ燃料利用に関する新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体株式会社あらたサステナビリティ
調査協力機関双日株式会社、PwC ポルトガル、株式会社双日総合研究所、国際航業株式会社、Development Workshop
調査対象国・地域アンゴラ(ウアンボ州等)
対象技術分野REDD+
報告書 参考PPT資料(PDF:853KB)
事業・活動の概要 本事業は、アンゴラにおける放棄産業植林地を植生回復させ、REDD+事業と、同植林地から得られるチップを同国のセメント工場で燃料代替として利用する事業とを組み合わせた統合事業である本事業の活動概要は以下の通りである。

@放棄産業植林地において、再び植林地として利用可能な区域を特定し、植林事業を実施する。

A放棄産業植林地内に侵入した新たな天然林、および放棄産業植林地周辺の天然林においてREDD+事業を実施する。

B植林事業から得られるユーカリの原木をトラック等で沿岸の都市へ搬出し、チップ加工工場でチップ化する。

Cチップ加工工場に隣接する民間のセメント工場においてチップをバイオマスエネルギーとして利用する。

上記@〜Cを通してREDD+事業からのCO2削減、セメント工場でのバイオマス燃料代替事業によるCO2削減により、事業からのクレジット獲得を目指す。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定【REDD+事業】
 リファレンスシナリオは@BAUと、A経済発展により近隣諸国と同様の森林減少率まで森林減少が進展する二つのシナリオにより検討する。プロジェクトバウンダリーは、ベンゲラ州アルトカトゥンベラからウアンボ州カソコの集落とその周辺の自然植生を含む約11万haの土地。

【セメント工場におけるバイオマスチップによる燃料代替事業】
 リファレンスシナリオはBAUとし、放棄産業植林地から数百キロ離れたセメント工場までの木質チップ輸送と、セメント工場での木質チップ利用が含まれる。
モニタリング手法・計画【REDD+事業】
 プロジェクトエリアにおける排出削減量を計量し、REDD+活動の効果を測定することと、リーケージベルトにおける排出削減量を計量し、リーケージの発生の有無を評価することが必要とされる。そのための手法として、現地調査による主な森林タイプ毎の排出係数の作成と、衛星画像等を利用した森林タイプ分類が有効である。
 10年に1度程度の頻度で排出係数の見直しとリファレンスレベルの再作成を行うことが重要である

【セメント工場におけるバイオマスチップによる燃料代替事業】
 モニタリング項目は、クリンカおよびセメント製造量、セメント製造に使用された鉱物成分量、キルン燃料使用量(本事業活動の対象となる重油投入量および木質チップ投入量を含む)、キルン以外で使用するエネルギー使用量、チップ加工工場における木質チップ製造量、チップ加工工場のエネルギー使用量、丸太の輸送回数および輸送距離、輸送燃料の種類・使用量および燃費とする。
GHG排出量及び削減量GHG排出削減量:1,836,094〜3,081,000tCO2(10年間)
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法 通常、プロジェクトの測定・報告・検証(MRV)については、二国間協定で定められた方法や、プロジェクト実施国が定める方法に基づいて実施される。しかし、アンゴラと日本では二国間協定が進んでおらず、プロジェクト実施国側であるアンゴラのMRVに関するガバナンスが未整備の状態である。
 このような状況では、各プロジェクトのMRVを受け入れる国の体制整備が優先課題であり、個別事業のMRVについてはそれに基づいて設計される事が望ましい。

@測定(Measurement):先述のモニタリング項目により測定を行う。

A報告(Reporting):簡易な方法で報告の手法を設定する場合、5年に1度の報告が妥当ではないかと考えられる。

B検証(Verification):国際的に認められている一般的なMRV手法を参照する。
環境影響等 環境影響評価実施の要不要にかかる最終判断は、アンゴラの環境省が事業の内容(目的、スケジュール、事業内容、成果物)の提出を受けて検討した上で下すものである。環境省環境影響予防・評価管理局より本事業のEIA要否は以下であることを確認した。

【植林事業】
植林事業のみの場合、EIA実施は不要であるが、木材加工業を含む場合は、EIAが必要。

【木質チップ加工業】
木質チップ工場の建設にあたっては、EIAの実施が必要。仮に旧CCPAの工場を再建して木質チップ加工を行うとしても、旧CCPA工場が建設されたのは現在の環境法の施行前であることから、EIAの実施によるライセンスの取得が必要。

【木質チップのセメント工場利用】
新設のセメント工場の建設にはEIA実施によるライセンスの取得が必要。
資金計画 民間企業の環境CSRのボランタリーな事業ではなく、民間企業が行う統合事業として事業参入の可能性検討を目的として、事業採算性の試算を行った。
本事業では内部収益率(IRR)および現在価値法(NPV法)を用いて事業性を評価した。さらに、クレジットの単価とその他の計算要素を変動させて、感度分析を実施した。
日本技術の導入可能性 アンゴラでは植林事業が内戦開始以降行われていなかったことから、植林事業に必要となる技術が十分存在していない。よって苗床管理・植栽方法・下刈り・枝打ち・間引き・密植と間伐のコンビネーション・葉面積指数のコントロール・優良種の採種などの日本製の植林技術を移転することは、ホスト国政府の植林推進政策の一助となる。また長い内戦によって土地利用に関する情報整備が進んでいない。そのため、衛星画像解析による土地利用調査手法とアンゴラへの技術移転は、アンゴラにとって有効な日本製技術になると期待される。とくに、ALOS衛星画像を活用することで、日本の高解像度衛星技術の利用普及を図ることができる。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
【REDD+事業】
水資源保全(水源涵養機能)、生物多様性の保全、地域コミュニティへの経済的効果について調査を行った。地域への経済効果については、100人の新たな雇用と、それにより約100万USドルの収入源が創出されることが予想される。

【セメント工場におけるバイオマス燃料代替事業】
セメント工場において、クリンカ焼成工程燃料として燃焼されている重油の一部を木質チップで代替することにより、大気質の改善効果(硫黄酸化物、窒素酸化物の減少)が見込まれる。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 内戦後、急速な経済発展を遂げたアンゴラであるが、依然として国内には大きな経済格差があり、都市部の57%、都市部以外では94.3%が貧困層と属しているとされており、彼らは十分な教育を受けられずにいる。本事業対象地域においても教育水準の低さと職が無いことが二大社会問題であり、住民の95%が職を持たず自給自足の農業に従事しており、貧困から抜け出す選択肢を持っていない。よって植林事業、REDD+事業により直接的・間接的に家計の収入が増えることで、多くの子供たちに教育の機会を、長期的には職業の選択機会を提供することが可能である。

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