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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名南アフリカ・ビール飲料工場における省エネ活動を通じた原単位法に基づく新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体株式会社リサイクルワン
調査協力機関有限会社クライメートエキスパーツ、SABMiller plc
調査対象国・地域南アフリカ(ダーバン)
対象技術分野省エネルギー
報告書 参考PPT資料(PDF:5.3MB)
事業・活動の概要 南アフリカでは、経済発展に伴い一貫して電力需要が上昇しており、大規模停電が発生する等電力問題が深刻化している。このような状況を受け、電力料金が年率25%程度で引き上げられる等、企業にとっては省エネへの対応が迫られている。
 本調査では、世界第二位の大手ビール・飲料会社であるSAB社のProspecton工場(南ア、ダーバン市近郊)をモデルケースとし、日本の先進技術を活用した「エネルギー構造解析シミュレーターによるプロセス改善」と「省エネ/低炭素機器の複合的導入」により大幅なGHG削減の実現を目指す活動を対象とした。本省エネ活動を通じて南アにおける電力消費量が削減されることで、石炭を主とする化石燃料の使用量の低減が期待できる。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 バウンダリーは工場全体を対象として、運用改善等によるGHG排出量削減効果も反映できるよう工夫した。リファレンスシナリオには@省エネ規制の達成、A既存のSAB社の省エネ計画による削減の実現、B生産増による原単位改善を加味した現状の継続、C生産増による原単位改善のない現状の継続、のいずれかが主に考えられるが、本調査ではB生産増による原単位改善を加味した現状の継続をリファレンスシナリオとした。
モニタリング手法・計画 モニタリング手法は、ビール・飲料工場において通常の生産管理の中でモニタリングしている生産量やエネルギー消費量を対象に、直接投入量(重量計、電力量計による計測)を対象に工場単位で取得し、購買伝票等により裏づけを取る手法が有効と考えられる。
GHG排出量及び削減量約31,000tCO2/年
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法 本調査ではプロジェクトで対象とする技術および国情について、ローカルの実情に合った判断を行う第三者専門家判断の手法を用いることを提案する。第三者専門家は、リファレンス(ベースライン)シナリオの妥当性、プロジェクトの追加性、排出削減計算方法の妥当性、モニタリング方法の妥当性を判断する。
環境影響等環境影響調査(EIA)の必要性については、EIA法令に関連付けられたリストに定義されている活動が対象となり、その判断は実施サイトの自治体レベルで行われる。実際に、ダーバン市のEIA担当者へ本省エネ活動を実施する場合のEIAの必要性について確認したところ、排水・排ガス等の追加的な排出がないことを勘案すると問題がないと考えられるという意見とともに、EIAに該当しないことを示す文書が交付された。
資金計画 本省エネ活動における初期投資は、Prospecton工場で4,400千USドルと推定されている。一方で、これらの導入による省エネ効果で年間約2,086千USドルの経費削減が実現でき、導入機器のメンテナンス費用は年間122千USドルと見積もられ、約2.06年で投資回収できる見込みである。
 SAB社における省エネ設備の投資基準に照らしあわせた場合、これらの機器の投資対効果は概ね高評価であるため、既に前向きに検討が進められている。また、SAB社では自己資金で省エネ機器のような軽微な設備投資については通常行なっており、本省エネ活動に伴う設備投資も自己資金で実施する可能性が高く、追加的な資金調達は必要ないと考えられる。
日本技術の導入可能性 本省エネ活動において活用するシミュレーターは、世界的にも省エネが進んでいる日本のビール会社の最新技術やベストプラクティス等を踏まえた上で、世界中のビール工場・飲料工場において活用できるよう設計されており、世界各地のビール工場で最適な省エネソリューションを導出した実績がある。
 本省エネ活動における「エネルギー構造解析シミュレーターによるプロセス改善」と「省エネ/低炭素機器の複合的導入」に、新メカニズム下で省エネによるGHG排出削減量がクレジット化されれば、南ア等の途上国における導入の更なるインセンティブとなり、当該分野における日本製技術の普及に大きく貢献することが想定される。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 コベネフィット定量評価マニュアルに挙げられている「省エネに起因した化石燃料使用量減少による硫黄酸化物(SOx)排出量の削減」を定量化することにより、大気汚染防止効果を評価した。その結果、本省エネ活動を実施することにより、発電所から排出されるSOxが年間約62t削減されることが示された。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 今後、南アでは電力開発が追いついていない等の理由からエネルギー問題が経済発展に影響を及ぼす可能性がある。このような中、電力の安定供給につながる省エネ活動は、中長期的に持続可能な経済発展を支えることになると考えられる。
 南アでは経済発展による電力需要の増加に伴ってGHG排出量が急増することが見込まれる中、同国における省エネの普及は地球温暖化対策にとって大きな意味を持つと考えられる。また、製造プロセスの改善による大気・水質汚染の軽減が、周辺環境の改善に貢献することができる。

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