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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名メキシコ・低炭素型住宅と省エネ家電の普及による家庭部門省エネ推進に関する新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体株式会社日本総合研究所
調査協力機関バハ・カリフォルニア州政府、Ahorro Sistematico Integral (ASI)、MGM innova社、パナソニック・メキシコ、三井住友銀行
調査対象国・地域メキシコ(バハ・カリフォルニア州)
対象技術分野廃棄物管理
報告書 参考PPT資料(PDF:2.0MB)
事業・活動の概要 メキシコの電力需要はほぼ一貫して増加しており、その傾向は今後も続くと見込まれている。エネルギー関連の補助金を抑制する事に加え、温室効果ガス排出量を削減するために、電力消費を抑えることはメキシコ政府の課題となっている。電力需要を抑制するために、連邦政府等が主導して様々な省エネプログラムが計画・実施されている。これらの省エネプログラムとBOCMの連携を目的に、ASI(電力会社傘下の省エネ推進組織)が実施する家庭向けの省エネ家電普及促進プログラムに対して、省エネ・創エネ技術を統合した「LOW CO2ハウス」を提案した。
 本調査では、現地にて「LOW CO2ハウス」の技術デモンストレーションとその省エネ効果の計測、国・州の関連規制・政策等の調査、家電及び住宅の省エネ化にかかるMRV手法の構築、国・州・金融機関との連携方策を検討した。これらの調査結果を活用し、BOCMにおける当該GHG削減事業の実現可能性を明らかにした上で、BOCMを通じて日本の優れた省エネ家電等を普及させること目指した。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 リファレンスシナリオは、プロジェクトに参加する世帯が、更新前設備を耐用年数まで使用し、その後市場に流通している標準的な機器に買い換えるシナリオとした。リファレンス排出量は、機器の買い換えに伴う機器のエネルギー消費効率の変化分を考慮する。バウンダリーについては、気温が空調負荷等へ影響を与えることから気候帯ごとにとりまとめられたプロジェクト参加住宅とした。
モニタリング手法・計画「導入設備に関する調査」については、プロジェクト実施期間中、以下の項目について記録し、合わせてデータベース化を行う。
  • プロジェクト活動において導入した設備の数量及び付帯情報
  • プロジェクト活動による設備の更新に伴って撤去した設備の数量及び付帯情報

「プロジェクト実施後調査」については、以下の項目について調査する。
  • 直近の過去1年間の電力消費量
  • 家族構成の変化
  • 家屋の増改築の有無
  • 導入した家電及び太陽光発電設備の稼働状況
GHG排出量及び削減量 メキシコ全体の10%の住宅に省エネエアコン・照明と3kWpの太陽光発電が導入した場合、約889万tCO2/年の削減が見込まれる。
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法 MRV方法論として、住宅単位でMRVを実施するCDM方法論「AMS-V.AE」を参考に、同一既築住宅の事業実施前後の住宅全体のエネルギー消費量の削減量を評価する方法論とした。
 測定については、本事業にて取り扱う製品は全て電気にて稼働あるいは電気を作り出す機器であるため、電力消費量・発電量およびそれに影響を与えるパラメータをモニタリングする。
 報告と検証については、プロジェクト実施計画を事前に第三者の専門家へ報告し、評価あるいは検証を受ける仕組みが重要と考えられる。また、本プロジェクトの様にリファレンス排出量が毎年更新される場合、その適切性について事前・事後に十分な検証がなされるべきである。
環境影響等 省エネプログラムを推進すると、それまで使用していた非効率な設備の処分が大きな問題となる。古い家電製品には有毒な物質が使われているだけで無く、エアコン・冷蔵庫には冷媒が使われているため、適切な処分をしない場合には、プログラムによるGHG排出削減効果を遙かに上回るGHGを大気中に放出する可能性がある。また、非効率な設備が処分されること無く、別の需要家にて使用されてしまうとプログラムによる削減効果は大きく損なわれる。したがって、環境十全性を確保するためには、省エネプログラムに破棄される設備の管理・処分までを組み込み、不適切な処理により環境負荷を増加させない体制の構築が重要である。
資金計画 家庭の初期投資を軽減するために、ASIによる日本メーカーの製品を対象とした省エネプログラムを活用したファイナンススキームの構築を検討した。具体的には、既存のメキシコ政府による各種の規制・普及推進策とともに、省エネ家電等の設備費用の高さを軽減する低金利のファイナンススキームが必要と考えられる。
日本技術の導入可能性 ASIでは、新規の省エネプログラムを計画・試行しており、従来の取組を拡張しようとしている。BOCMとの連携にも前向きであることから、BOCMのクレジットを原資とするファイナンススキームを検討し、そこからASIへ融資し、日本メーカーの製品を導入する際に利用出来る低金利ローンを構築する。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 省エネ・創エネ設備の普及により電力消費量が削減され、それにより火力発電所における発電量が減少し、大気中に放出される硫黄酸化物・窒素酸化物・煤塵が減少し、大気質改善が期待できる。
 バハ・カリフォルニア州の主要な電源である天然ガス火力発電は、大気汚染物質の排出量が少ないため影響は軽微であるものの2025年には電力需要の伸びに応じて発電量が増加するとNOx濃度は0.60 kg/MWhから0.68kg/MWhへ増加すると見込まれている(電力会社による見通し)。省エネ・創エネ設備が普及することにより、電力需要の伸びが抑制され、NOx濃度の増加が抑制されると見込まれる。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 メキシコはアメリカ向け製品の生産基地となっており、自動車・家電製品・生活雑貨等あらゆるものがメキシコで生産されている。今後もこれらの品目が生産され、アメリカおよび南米市場へと供給されていくと見込まれている。同時に、経済水準の向上によりメキシコ自体が大きな市場として発展していくと考えられる。
 日本メーカーの省エネ・創エネ設備がメキシコ国内で広く流通することにより、途上国全般で散見される「安くて非効率な設備」から「適正な価格で高効率な設備」へ徐々に市場が変化していくことが期待される。

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