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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名インド・アルミ産業における高性能工業炉導入に関する新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体社団法人日本工業炉協会
調査協力機関株式会社みずほコーポレート銀行
Evalueserve UK Ltd.
調査対象国・地域インド
対象技術分野省エネルギー
報告書 参考PPT資料(PDF:464KB)
事業・活動の概要 インド国においてアルミ産業における高性能工業炉の導入に関わる新メカニズムの実現可能性調査を行う。高性能工業炉は蓄熱式燃焼装置、リジェネバーナを搭載した工業炉で、排ガス中の熱量を回収し、燃焼空気を予熱した高温燃焼用空気を応用した燃焼技術の採用により、大幅な省エネルギー化、かつ低NOx化並びに均質加熱ができる工業炉である。
 今回ホスト国(インド)のアルミ産業において、この高性能工業炉技術の導入可能性を調査し、ホスト国でのGHGの削減量を推計すると共に、この技術の普及可能性を検討する。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 現時点においては、PAT対象事業所・PAT非対象事業所ともに、高性能工業炉導入の実質的なインセンティブが存在するとは見なすことができない。
ただし、今後のPAT制度拡張の可能性をインド政府により示唆されており、将来的な削減規制の水準(ベンチマーク)をリファレンスシナリオと見なすことも可能である。
 したがって、ここでは、0%ないしは5.6%の排出量削減をリファレンスシナリオと設定する。後者の場合、高性能工業炉の導入により5.6%を超えて排出量を削減した分がクレジットとして認められる。
 インド・アルミ産業についての基礎調査や現地調査を踏まえて、バウンダリーは次の通り設定した。新地金:溶解保持炉・ソーキングピット、二次地金:溶解炉、線棒・板製品・箔製品:アニーリング炉、押出:溶解炉・加熱炉、鋳造:溶解炉、鍛造:加熱炉。
モニタリング手法・計画 ISO/WD13579-3(FDIS)に規定されている項目を用いる。
 これら全ての項目は通常の商取引を上回る水準の精緻な計算を行うための想定により設定されており、本調査においては、実施体制を構築可能、かつ、透明性・トレーサビリティを確保できるよう、MRVにおける必須項目を設けた。必須項目は、5.1.1 燃料使用量の測定(Volume)、5.3.1燃焼用空気量の測定(Combustion air volume)、5.5.1 燃焼排ガス温度(Combustion exhaust gas Temperature)、5.5.2 燃焼排ガス量(Combustion exhaust gas Volume)、5.6.1製品及び搬送用ジグ/ の質量(Fixture / Mass)である。
GHG排出量及び削減量現状:18.72万tCO2(5.6%控除後クレジット分)
2020年:105.4万tCO2(5.6%控除後クレジット分)
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法 現在、ISO/TC244(Industrial furnaces and associated thermal processing equipment)において、工業炉のエネルギー効率に関する国際標準が日本(社団法人日本工業炉協会)の提案で審議されている。国際的なMRVガイドラインとして採用され得る水準のMRV手法は、この国際標準の考えに沿っていることが望ましい。
 本調査の実施期間の都合により、工業炉のエネルギー効率に関するISOとして確定した国際標準を掲載することはできないが、現FDIS段階のWORKING DRAFTを用いてMRV手法を示す。
  • 測定(Measurement)
ISO/WD 13579-3の5章:測定方法(Measurement method)に従って測定を行う。全ての項目を測定することができない場合は、必須項目で行う。これらは日本の工業炉メーカーが高性能工業炉の仕様策定に係る現地視察の際に計測するモニタリング項目であり、これらを用いて計算した省エネ等効果は商取引上の判断のためにも用いる。従って、簡略化した必須項目に基づくMRVが、事業実施のベースとなる。なお、これらの必須項目の測定は現地の工業炉ユーザーでも対応可能である。
  • 報告(Reporting)
 ISO/WD 13579-3の6章:計算(Calculation)に従って報告を行う。
 上記測定(Measurement)における必須項目による報告(Reporting)の考え方は、燃焼排ガス(Combustion exhaust gas)の測定から高性能工業炉化したときの省エネ率を計算し、燃料使用量(Fuel Volume)に乗算することで、燃料使用削減量が求められ、GHG排出削減量も求められる。
  • 検証(Verification)
 ISO/WD 13579-3の7章:エネルギー勘定表(Energy supplied for machineries and electrical equipment)に従って検証を行う。
 なお、検証の担当は省エネ診断等の実績ある組織であれば対応可能であり、インドでは例えばPCRAなどを想定している。
環境影響等 工業炉または設備(リジェネバーナ等)の導入による省エネゆえ、環境側面を含め、その他の社会的・文化的・経済的な間接影響は当初から想定されておらず、3回の現地調査を終えた段階でも見込まれるものは無かった。
資金計画 本事業において以下の場合を想定する。ソーキングピット(新地金)48t/ch・基=投資回収5.0年、溶解炉(二次地金)5t/ch・基=投資回収4.5年、アニーリング炉(線棒板箔材)28t/ch・基=投資回収5.0年。
 具体的な投資、融資計画は未定であるが、自己資金と銀行ローンとの組み合わせの方法がある。ローンについては場合によっては日本の銀行からの借り入れも想定する。
日本技術の導入可能性 日本製技術に対する認知度向上のための取組として、展示会等における高性能工業炉のPR、及びインドの学会へのアプローチ、等の機会を活用する。
 モデル事業の実施は、早期実施が望ましく、政府等による支援が求められる。デモンストレーションの実施も併せて行う。
 標準化による短納期化・低価格化を模索し、日本の工業炉メーカー全体がホスト国市場での競争力を獲得する
 日本国内でのPRも行い、工業炉ユーザーの意思決定の迅速化を促す。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 インドのアルミ産業に高性能工業炉を普及させた場合のコベネフィット効果として、CO2およびNOxを削減したことによる環境外部コストを評価できる。
 高性能工業炉導入によるNOx排出削減量を定量化することは困難であるが、日本において高性能工業炉を導入した事例で3割もしくはそれ以上の排出削減が確認されている。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 高性能工業炉の普及により、インドのアルミ産業における天然ガス、LPG、重油の消費を大きく抑制することが、インドの持続可能な開発に寄与することとなる。本技術は鉄鋼セクター等にも適用可能であり、今後何らかの政策の後押しにより導入することのインド産業界での波及効果は大きい。

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