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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名中国・陝西省における制御系エネルギー管理システム(EMS)導入による工場省エネ推進に関する新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体株式会社安川電機
調査協力機関
  • 陝西省発展改革委員会
  • 陝西省工業信息化委員会
調査対象国・地域中国(陝西省)
対象技術分野省エネルギー
報告書 参考PPT資料(PDF:430KB)
事業・活動の概要 本事業では、中国陝西省にある中国系大規模工場を対象に、制御系EMS(エネルギー・マネジメント・システム)を導入した温暖化ガス排出削減プロジェクト実施を想定し、当該プロジェクトの新メカニズム実現可能性に関する調査を行う。
本事業の実施サイトは、同省東部にある高炉製鉄所、および有色金属・化学工場である。両社はそのエネルギー使用について、国の“高エネルギー使用重点1000社企業”に含まれ、2011年度の工業信息化部が指定する“エネルギー見える化”モデルプロジェクトの対象サイトでもある。
 本事業で導入を想定する制御系EMSは、導入・適用対象を、電力の入力により駆動・運転される非生産設備としている。工場におけるこれらの適用箇所では、電力の需要と供給のミスマッチによる無駄や、複数の供給設備間で生じる無駄を削減するため、需要側、供給側の設備同士を互いに連携させ、全体を最適に制御することにより省電力が図られる。制御系EMSは、既存設備の改修により効率化を行う手法であり、効率のよい新規設備に更新する個別対策とは異なる。
 制御系EMSの導入により、対象設備において電力消費が負荷に追従可能となり、また待機電力を低減できることになり、工場単位でおよそ10%前後の省電力が見込まれる。これによりグリッド電力に関わる温暖化ガス排出削減が達成できる。
 MRV手法の構築については、削減対策前後のエネルギー源単位差に着目する。すなわち、エネルギー源単位が参照するエネルギー変動要因(生産量など)を、対策後の値に固定した場合に、対策前後の効率差より生じるエネルギー削減量から温暖化ガス削減量を求める。
 中国では、上述のいわゆる“設備個別対策”については普及が進んできたが、制御系EMS導入については改修や計装のエンジニアリング技術が進んでいないためこれまで普及していない。しかし中国政府による“エネルギー見える化モデルプロジェクト”の取り組みなど動きが出てきた。ここに日本の得意技術である改修や計装のエンジニアリング技術および関連製品が合流、連携して、制御系EMSによる省エネ・削減のモデルを構築することで、事業・活動を推進する計画である。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 リファレンスシナリオは、「現地工場の省エネ・削減活動は、個別対策により毎3年1%ずつ改善されるが、制御系EMSの導入による省エネ・削減活動は行われない」とする。 
 バウンダリの設定については、工場の非生産設備(直接生産を行う設備でなく、生産設備にエアや冷温水などを供給する付帯設備やオフィス関連設備など)とする。
モニタリング手法・計画 モニタリング対象は、バウンダリの対策導入前後の電力消費、エネルギー源単位の参照エネルギー変動要因(例:生産量)、設備稼働状況、グリッド電力の炭素排出係数となる。制御機器による電子的記録、または機械、資料を参照しての紙記録となる。
GHG排出量及び削減量モデル工場A社(高炉製鉄所)においては、リファレンス排出量466,333tCO2に対し、当該対策による削減量が80,213tCO2となった。

モデル工場B社(有色金属・化学)においては、リファレンス排出量48,028tCO2に対し、当該対策による削減量が9,671tCO2となった。
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法リファレンス排出量:対象工場・バウンダリのエネルギー源単位に着目し、対策前の電力量とその変動要因(原単位の参照項目、例:生産量)について関係式を求め、リファレンス電力量算定式とする。対策後の変動要因数値からリファレンス電力量を算定し、リファレンス排出量を求める。

プロジェクト排出量:モニタリングにより、プロジェクト電力量、プロジェクト排出量を求める。

削減量はリファレンス排出量とプロジェクト排出量の差から算定する。
環境影響等 本事業・活動により新たな環境影響などが発生することは無い。
資金計画 本事業・活動のクレジット収入を見込まない場合の投資回収水準は、3〜4年程度である。クレジット収入によりこれが20%程度改善されうる。これによりビジネスベースでの普及が期待できる。また、ESCOなどを活用する方法もありうる。
日本技術の導入可能性 制御系EMSで必要な制御機器、計装機器は世界的に日本技術の強みが発揮されるところであり、日本技術が導入、普及される可能性は十分にありうる。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 ホスト国は石炭由来一次エネルギーの比率が70%超であり、ここからのSO2排出が大気汚染の原因の一つとなっている。本事業・活動により削減されたグリッド由来電力削減量から、地域の電力SO2排出係数と火力発電所脱硫率を参照して、SO2排出削減効果をコベネフィット効果として算定できる。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 本事業・活動で想定している制御技術の導入普及により、中国系工場の生産工程において、バッヂ処理から連続自動制御プロセスが普及していくことで、エネルギー消費の削減だけでなく、投入材料などの資源についても効率化が促進され、エネルギーや資源を含めた総合的な持続可能なものづくり醸成に寄与する可能性がある。

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