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新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名コロンビア・地熱発電導入による再生可能エネルギー開発促進に関する新メカニズム実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体株式会社三菱総合研究所
調査協力機関ISAGEN S.A. E.S.P.、Numark Associates, Inc.
調査対象国・地域コロンビア(ネバド・デル・ルイス)
対象技術分野再生可能エネルギー
報告書 参考PPT資料(PDF:410KB)
事業・活動の概要 本事業は、コロンビア初の地熱発電プロジェクトであり、ネバド・デル・ルイス地域への立地を予定している。出力は50MWである。同国の電源構成は水力が大部分を占めており、エルニーニョ時期にはその影響による渇水のために、電力供給が不安定になるリスクを抱えている。このような時期にも安定的に電力を供給でき、かつ、温室効果ガス排出が少ない地熱発電所の導入がコロンビアでは期待されていることが背景としてある。日本メーカーの優位性が発揮できる技術である。
 地熱発電所の導入により電力グリッドから供給されたであろう電力分を代替したとみなして、排出削減量を算定する。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 「電力供給不足かつ水力発電の割合が50%以上の国」におけるベースライン(リファレンス)排出係数を決定するリファレンスシナリオの設定方法について提案した。基本的には、個別発電所のデータが存在すれば「電力システムの排出係数算定ツール」、存在しなければ「セクター別標準化ベースラインの設定に関するガイドライン」を参照して設定し、電力供給の安定化に資する電源(化石燃料等)から求めた排出係数をベースラインとして採用可能とするものである。ホスト国に適用すると、安定化に資する電源として考えられるのは、短期的には天然ガスとディーゼルであり、中期的には石炭である。これらの電源がプロジェクトと同等の品質で、最低サービスレベルをどこまで満たすことができるのかを評価することになる。
 プロジェクトバウンダリについては、プロジェクト実施場所に加えて当該事業の発電所が接続する電源グリッドに接続している全ての発電所、及びリファレンスシナリオの設定によってはプロジェクトによって代替されるオフグリッド発電所が含まれる。
モニタリング手法・計画 発電電力量、蒸気量については、通常操業で適切なモニタリングがされている。また、一般に事業者の判断に依存している「発生蒸気中に含まれる非凝縮性ガス(CO2、CH4)」のモニタリングについては、その負荷軽減のためにデフォルト値の設定について検討した。しかしながら、地点により地熱蒸気の組成は異なることから、世界共通もしくは国共通の値を設定するのは極めて困難であるという結論に至った。その他の方法として、当該サイトにおける事前調査の結果を固有値として設定する方法も考えられ、最低限どの程度の頻度のモニタリングが必要であるのかについて検討した。
 モニタリング手法のうちサンプリング手法については、米国のASTM規格は手間が多いため、事業者にとって追加的な負担とならない手法を選択し、二国間オフセット・クレジット制度独自の標準を作成することが望ましい。全ての手法について、適切なモニタリングを行うには経験とノウハウが必要であるため、新規地熱導入国であるホスト国に対しては、日本企業が協力していくことによるキャパシティ・ビルディングが重要となる。
GHG排出量及び削減量231,625tCO2/年
(グリッド排出係数として「化石燃料のCM」を利用した場合)
排出削減効果の測定・報告・検証(MRV)手法 電力部門のプロジェクトの場合、MRVは比較的シンプルである。理由としては、使用するデータが発電所内で計測可能であること、本来事業でも計測・報告・検証されるものであることが多いこと、その計測方法は世界的にほぼ確立されていることが挙げられる。グリッド排出係数については、政府がデータ収集を行い、実際の排出係数を算定・公表し、プロジェクト実施者がその値を利用できるようにすることを想定している。将来的には、計測・報告のみならず、検証についても途上国の第三者機関が日本の支援を受けて自ら実施するような制度が望ましい。
環境影響等 地熱開発に伴う環境への悪影響は、騒音、地盤沈下、排熱、大気汚染物質の放出等が挙げられ、その利用規模に比例して影響も大きくなるものであり、入念な回避措置が必要となる。本事業においては、ホスト国政府の簡易的な環境分析が実施済であり、また、今後実施される試験井掘削についてのライセンス(環境免許)についても取得されている。コロンビア初の地熱発電であるため、鉱山開発部門の環境影響評価を参考として、プロジェクト開発と同時進行で法整備が進められている。
資金計画 現在は技術的評価(第2フェーズ)が終了しており、試験井掘削に入る段階である。建設資金については、現在借入先を検討中であり、JBICなども可能性があると見込まれる。
日本技術の導入可能性 本事業においては、高い市場占有率を誇る日本製技術(世界で70%〜80%のシェア)が導入される可能性は高い。コロンビアは地熱発電の建設・運営に関する知見が乏しいため、地熱開発コンサルティング会社、発電機メーカーに加えて電力会社のノウハウも必要であり、日本としての地熱発電の普及支援の対象となる。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 地熱発電導入により、代替される火力発電所稼働に必要な燃料燃焼により放出される大気汚染物質削減が見込まれる。データの制約から硫黄酸化物削減について検討を実施し、その削減量は年間8,940tと試算された。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 本事業により、コロンビアにおける電力供給の安定化と地球温暖化対策への貢献、地熱資源開発のキャパシティ・ビルディングが期待される。

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