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二国間オフセット・クレジット制度等新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名調査区分二国間オフセット・クレジット制度のMRVモデル実証調査(DS)
調査名農業残渣バイオマスを利用した化石燃料利用暖房の代替
調査年度2012(平成24)年度
調査団体三井共同建設コンサルタント・日本環境コンサルタント共同企業体
調査協力機関Carbon Finance Unit, Ministry of Environment (CFU)、一般財団法人日本気象協会
調査対象国・地域モルドバ
対象技術分野バイオマス利用
報告書

※MRV方法論(案)及び算定ツール(案)は、調査の結果として開発されたものであり、二国間オフセット・クレジット制度の下で適用することについて正式な承認が得られたものでも、将来承認が得られることを保証するものでもありません。

<調査成果としてのMRV方法論(案)>
参考PPT資料(PDF:1.4MB)
事業・活動の概要 化石燃料価格の上昇によってモルドバ国の農村貧困地域では、現在、冬期暖房熱源の確保が困難な地域が出てきていることから、国際協力機構(JICA)や国連開発計画(UNDP)等は化石燃料からバイオマス燃料への転換を支援し始めている。
本調査では、日本政府の「草の根無償資金援助」や世銀の支援により設置された麦藁ボイラの他、Moldova Social Investment Fundの支援で設置されたペレットボイラ等を対象施設とした。
 石炭や天然ガスなどの化石燃料からバイオマス燃料への転換によりGHGが削減される。
MRV方法論適用の適格性条件【要件1暖房熱源用ボイラの燃料としてバイオマス残渣(非収穫部)燃料によって化石燃料が代替されること
【要件2新規にバイオマスボイラ(加工しないバイオマス残渣もしくはペレットを燃焼させるもので、ボイラ容量45kW以上、ボイラ効率0.8以上)を導入すること
【要件3使用されるバイオマス残渣は未利用のものであること
【要件4ボイラで産生した熱は発電に使わない
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定熱産生とバイオマス残渣の取り扱いについて、代替シナリオを特定し、バリア分析により、最も妥当なリファレンスシナリオを設定した。

・ このプロジェクトがない場合、既存ボイラが従来と同じ化石燃料で引き続き稼働する。ただし、既存ボイラのボイラ効率を1とする。
・ このプロジェクトがない場合、バイオマス残渣は廃棄あるいは耕作地に放置か鋤き込みされ、主に好気的条件下で腐敗(分解)するか、もしくはエネルギー利用されず管理されない状態で焼却される。

バウンダリーは、以下のとおりである。

・ プロジェクトで使用するバイオマス残渣の収集、輸送のためのトラクタなど農業機械の稼働に伴うGHG排出量
・ ボイラで燃焼するバイオマス残渣の輸送に伴うGHG排出量
・ ペレット化のシステム(乾燥、粉砕、ペレタイザー)の稼働に伴うGHG排出量
・ プロジェクトサイトで消費される化石燃料や電力の使用に伴うGHG排出量。たとえば、バイオマス残渣をボイラに投入するトラクタ、バイオマス残渣のシュレッダー等。ただし、混焼する化石燃料は含まない。
・ プロジェクト実施者は、ボイラでの燃焼によるメタンの排出を含めるかどうか決定し、PDDに記載する必要がある。農業廃棄物が主に野焼きされているような場合は排出に含めなくてよい。
算定方法オプション算定方法オプションは以下のとおりである。
1-1:ボイラの積算熱量測定・輸送関連排出量にデフォルト値使用
1-2:ボイラの積算熱量測定・輸送関連排出量にプロジェクト固有値使用
2-1:ボイラの積算熱量測定しない・輸送関連排出量にデフォルト値使用
2-2:ボイラの積算熱量測定しない・輸送関連排出量にプロジェクト固有値使用
デフォルト値の設定【方法論のデフォルト値】
l各化石燃料のCO2排出係数等
燃料
排出係数
情報源
無煙炭
0.0983
tCO2/GJNational Inventory Report of the Republic of Moldova
軽油
0.0741
tCO2/GJ
ディーゼル油
0.0011
tCO2/km
燃料
真発熱量(NCV
情報源
ディーゼル油
35.7
GJ/klInstruction for compiling Statistical Report No.1 – BE “Energy Balance”
l既存ボイラのボイラ効率
石炭ボイラ:1
lバイオマス残渣の含水率
バイオマスペレット:11%
バイオマス残渣:建屋内・屋根のみ;20%、野ざらし;30%、
薪;40%

lバイオマス残渣の真発熱量(農業大学での測定データ)
麦藁: 18.04ブドウの木: 18.92
大豆藁: 18.04薪(松): 19.99
トウモロコシ軸: 17.95薪(ポプラ): 19.18
ひまわり種殻: 20.02薪(小枝): 19.18
アシ: 17.60シダレヤナギ: 18.94
薪(ニレ): 19.10家具端材: 18.92
薪(アカシア): 20.11
リファレンス排出量に対するCO2排出量の割合
燃料種類
P/R*デフォルト値
情報源
加工しないバイオマス残渣
0.02
積算熱量計データ
ペレット
0.10
現地ヒアリング
*注)プロジェクト排出量(P)/ リファレンス排出量(R)

【プロジェクトで設定する事業固有値】
燃料
排出係数
情報源
電気
0.4434
tCO2/MWhMoldova 2010 Grid Emission Factor calculation
バイオマス残渣及びペレット燃料を輸送するトラックの平均積載量・平均輸送距離、並びにバイオマス残渣1t当たりのボイラ投入に使う化石燃料使用量は、ヒアリングや購入伝票により設定しる。
ボイラ効率は、稼働状況によって変動することから、ボイラ産生熱量を熱量計と比較した結果から補正係数0.5を設定した。バイオマスボイラの効率は下記カタログ値に補正係数をかけて使用する。

麦藁ボイラ(メーカーカタログ値):
Hirtopul Mare G*:0.81
Hirtopul Mare K*:0.80
Viisoara G:0.815
Chiscareni L*&G:0.815

ペレットボイラ(メーカーカタログ値):
Moldagrotehnica、Fundurii Vechi CC、Balatina CC:0.86
(G: Gymnasium, K: 幼稚園, L: Lyceum、CC:コミュニティセンター)

モニタリング手法ボイラ産生積算熱量(QBM,y[GJ/年]
 積算熱量計による連続測定

ボイラ投入農業残渣燃料重量(PCBM,y[t/年]
 麦藁やペレットの単位平均重量(ベール、バケツ当たり)を把握した上で投入個数をカウント
モニタリング実施結果 モニタリングは2つの期間に分けて実施している。第1モニタリング期間は、通常年より気温が高く、断続的な運転となったところもあった。
第1モニタリング期間
・Hirtopul Mare Gymnasium: 2012年11月27日〜11月30日
・Hirtopul Mare 幼稚園: 2012年11月7日〜11月30日
・Viisoara Gymnasium: 2012年11月14日〜11月30日
・Chiscareni Lyceum & Gymnasium: 2012年11月14日〜11月29日
・Moldagrotehnica: 2012年11月8日〜11月30日
第2モニタリング期間
・Hirtopul Mare Gymnasium: 2012年12月1日〜2013年1月23日
・Hirtopul Mare 幼稚園: 2012年12月1日〜2013年1月23日
・Viisoara Gymnasium: 2012年12月1日〜2013年1月23日
・Chiscareni Lyceum & Gymnasium: 2012年12月1日〜2013年1月23日
・Moldagrotehnica: 2012年12月1日〜2013年1月23日
・Fundurii Vechii Community Center : 2013年1月7日〜2013年1月23日
・Balatina Community Center: 2013年1月14日〜2013年1月23日
GHG排出量及び削減量 第2モニタリング期間の実測データによる排出削減量(単位:tCO2)
Hirtopul Mare幼稚園の例
算定手法
RE (2)
PE (2)
ER (2)
REy
PEy
ERy
1-1
25.29
0.51
24.78
74.93
1.51
73.42
1-2
25.29
0.35
24.93
74.93
1.04
73.87
2-1
27.70
0.55
27.14
82.07
1.63
80.41
2-2
27.70
0.35
27.35
82.07
1.04
81.04
第三者検証の結果及び概要 本調査ではホスト国のEast-Europe Consulting Associates(EECA)及びルーマニアのRina Simtex社に検証を依頼した。EECAはCDMの検証作業経験がなく十分な能力を有するとは言えない状況であった。一方、Rina社はCDMの経験もあり適切な第三者検証作業を行うことができた。検証機関からの指摘事項に対しては、ホスト国で十分なエビデンスを提示することが可能である。
環境影響等<煤煙>
 麦藁ボイラは、煤塵排出濃度がEU基準より高くなる可能性があるため、煙突高さや設置場所選定に留意する必要がある。ペレットボイラは、集塵機有しており環境影響は少ない。
<焼却灰>
 焼却灰は堆肥として農地へ還元されている。
日本技術の導入可能性 日本製ペレットボイラの技術的優位性は高いことから、JICA無償資金協力の一環で支援を行う維持管理サービス体制と燃料供給サプライチェーン体制を整えることで本邦技術の普及可能性は高まる。
ホスト国における持続可能な開発への寄与
  • 未利用国内資源有効活用と新規産業や雇用創出に寄与
  • 内貨の流出防止・国内再投資による経済効果

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