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二国間オフセット・クレジット制度等新メカニズム実現可能性調査(FS)結果データベース

調査名調査区分二国間オフセット・クレジット制度のMRVモデル実証調査(DS)
調査名バイオダイジェスターを活用した家畜糞尿処理によるメタン回収利用
調査年度2012(平成24)年度
調査団体日本エヌ・ユー・エス株式会社
調査協力機関幸和商事、Mekong Carbon社、TUV Rheinland Cambodia
調査対象国・地域カンボジア(カンポンスプー州)
対象技術分野廃棄物管理
報告書

※MRV方法論(案)及び算定ツール(案)は、調査の結果として開発されたものであり、二国間オフセット・クレジット制度の下で適用することについて正式な承認が得られたものでも、将来承認が得られることを保証するものでもありません。

<調査成果としてのMRV方法論(案)>
参考PPT資料(PDF:670KB)
事業・活動の概要 MRV実証調査対象の事業は、カンボジアのコンポンスプー州における3件の畜産事業者が設置したバイオダイジェスターから発生するメタンを回収し、発電、調理器具、照明に利用するというものである。
MRV方法論適用の適格性条件条件1
牛、水牛、豚を継続的に保有し、保有数が確認出来る環境(畜舎等)で管理している飼育場
条件2
オープンラグーン式の畜産廃棄物処理システムを採用している飼育場
条件3
バイオダイジェスターの構造は、密閉性が高く、意図しない漏洩が発生しない
条件4
バイオダイジェスターから発生するメタンは、調理器具、照明、発電のいずれかの用途に使用される
条件5
プロジェクトはCDM及びボランタリーな排出権創出プロジェクトに登録されていない
条件6
(発電のみに適用)ガス流量計が設置されている。例:差圧式、超音波式、渦式、タービン式等。
リファレンスシナリオ及びバウンダリーの設定 リファレンスシナリオは、「当該活動がなければ、今後もオープンラグーンでの処理が継続する状態」となる。
 バウンダリーは畜産廃棄物処理システム(畜舎、バイオダイジェスターとその関連設備)、バイオダイジェスターから発生するバイオガスを調理、照明、発電用に燃焼して使用する施設、(発電プロジェクトの場合)グリッド及びオフグリッドの電力からのGHG排出量となる。
算定方法オプション 算定方法オプションは3つ設定した。バイオガスの用途が発電(大規模)の場合は算定方法1、バイオガスの用途が調理器具及び照明(小規模)で、プロジェクト件数が50件未満の場合は算定方法2、バイオガスの用途が調理器具及び照明(小規模)で、プロジェクト件数が50件以上の場合は算定方法3となる。
デフォルト値の設定
  • 畜産廃棄物管理システムの年間メタン変換係数:80%
    IPCC温室効果ガス排出量目録ガイドライン10章の表10Aに記載されている算出方法に従って設定した。
  • 家畜から発生する揮発性固形分の最大メタン生成係数:豚:0.29、牛:0.1、水牛:0.1 (m3CH4/kg dm)
    IPCC温室効果ガス排出量目録ガイドライン10章の表10Aに記載されている算出方法に従って設定した。
  • バイオダイジェスターで処理される家畜糞尿の割合:豚:100%、牛:64%、水牛:51%
    現地ヒアリング調査および文献調査によって設定した。
  • 家畜の排泄における年間揮発性固形分:豚:195.5、牛:315.8、水牛:599.4 (kg-dm/頭/年)
    CDM方法論ACM0010で採用されている式(4)を参照した。平均体重については、文献調査(FAO:国連食糧農業機関)及び現地調査におけるヒアリングによって設定した。
  • バイオガスのメタン濃度:50%
    現地でのモニタリング及び文献調査によって設定した。
モニタリング手法リファレンス排出量
  • (算定方法1及び2)豚、牛、水牛の年間平均頭数(頻度:毎日)
プロジェクト排出量
  • (算定方法1)発電機に投入されたバイオガス量(頻度:常時)
  • (算定方法2)調理コンロ、炊飯器、照明使用時間(頻度:毎日)
    ※算定方法3はモニタリング項目なし
モニタリング実施結果モニタリング期間:2012年7月16日〜2012年12月16日
サイト1:のべ豚頭数:679,600頭、プロジェクト不在の場合の発電量:62.9MWh
サイト2:のべ牛頭数:838頭、のべ豚頭数:839頭、調理コンロ使用時間:445.5時間、照明器具使用時間:418.0時間
サイト3:のべ豚頭数:839頭、調理コンロ使用時間:445.5時間
GHG排出量及び削減量サイト1:リファレンス排出量:1,465tCO2e、プロジェクト排出量:405tCO2e、排出削減量:1,060tCO2e
サイト2:リファレンス排出量:2.4tCO2e、プロジェクト排出量:0tCO2e、排出削減量:2.4tCO2e
サイト3 リファレンス排出量:2.4tCO2e、プロジェクト排出量:0.3tCO2e、排出削減量:2.1tCO2e
第三者検証の結果及び概要 第三者検証は、TUV Rheinlandによって方法論の妥当性検討、現場往査、Verification report作成が実施された。検証チームは、Verification teamが3名、Technical expertが2名、Internal reviewerが2名という構成であった。方法論の妥当性検討は、technical expertによって行われた。現場往査は、カンボジアの現地スタッフによって実施された。Verification reportは、現地スタッフが作成し、マレーシアのinternal reviewerによる社内判定会を経て提出された。
環境影響等 バイオダイジェスターの導入は、家畜糞尿の適切な管理・処理による河川や土壌の汚染防止、薪の調達を目的とした森林伐採の減少、化学肥料使用量の削減、バイオマス燃焼由来の室内大気汚染の回避等の好影響が期待される。悪影響としては、バイオガス中の硫化水素による金属系調理器具の腐食、ユーザーへの健康影響も懸念される。
日本技術の導入可能性 日本製技術は、カンボジアにおいて現在普及しているバイオダイジェスターと比較して衛生的で安全であり、投入量あたりのガス量も多いが、普及のためには価格差を克服する必要がある
ホスト国における持続可能な開発への寄与 バイオダイジェスターの普及により、灯油の使用削減や、時間とお金の節約、家畜糞尿を肥料として使用することによる農業生産の向上などにつながると考えられる。

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