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CDM/JI事業調査結果データベース

調査名マレーシア・貨物輸送車両へのデジタルタコグラフ導入による燃費向上プログラムCDM実現可能性調査
調査年度2011(平成23)年度
調査団体日本通運株式会社
調査協力機関株式会社日通総合研究所、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、NITTSU TRANSPORT SERVICE SDN. BHD.、NIPPON EXPRESS SDN. BHD.
調査対象国・地域マレーシア
対象技術分野交通
対象削減ガス二酸化炭素(CO2)
CDM/JICDM
報告書 参考PPT資料(PDF:1.0MB)
プロジェクトの概要 マレーシアにおいて、貨物輸送車両にデジタルタコグラフシステムを導入することにより、車両の速度超過の継続記録、不要なアイドリング・急加速・急ブレーキ等の非効率運転に対する運転手への音声通報などの機能を通じて、個々の運転手に対する高効率運転の指導を行い、燃費効率の改善を達成し、温室効果ガスの排出削減を行うプロジェクトを、プログラムCDM(PoA)として実施する。なお、当該PoAには、2011年4月にCDM理事会で承認されたAMS-III.ATを適用することを前提とする。
 当該PoAの第1号CDMプログラム活動(CPA)として、マレーシア・スランゴール州に拠点を置く日通トランスポートサービス株式会社(以下「NTS」)が保有するトラックのうち、46台を対象にデジタコを装着・使用し、トラック運行時にエコドライブを実施することで、年間約255tCO2の削減を目論むプロジェクトである。
適用方法論 AMS-III.AT (ver.01)
ベースラインの設定 ベースラインシナリオは、デジタルタコグラフが未装着であり、非効率(=燃費の悪い)運転に対するフィーバックシステムがなく、それが継続されている状態とする。現在のトラックの運転状態がこれに当たる。
モニタリング モニタリング計画については、基本的に現行通りの輸送データおよび燃料使用量のデータを各車両ごとに収集し、それをもとにプロジェクト排出量を算定する。
 主なモニタリング項目は、以下の通り。
  • 貨物の輸送データ(車両ごと):輸送区間、距離、貨物重量
  • 燃料使用量データ(車両ごと):燃料タイプ、燃料補給量、補給日時
  • その他:高速道の建設状況、バイオ燃料の混和状況
GHG削減量 255tCO2/年
プロジェクト実施期間/クレジット取得期間 本プログラム(PoA)の期間は、PoAが国連に登録された日より、最大28年とする。
 第1号CPA実施期間・クレジット獲得期間については10年間、プロジェクト開始日は、2012年12月を想定している。
 2つ目以降のCPAについては、ベースラインデータの捕捉に課題があることから、データ捕捉体制の整備にまずは注力する。
環境影響等 本プロジェクトは、従来の貨物輸送形態や使用車両、使用燃料を変更するものではなく、技術的にも新たな汚染物質排出や騒音を発生させるものでもないため、対処すべき影響はないものと捉えられる。
 環境アセスメントの実施については、マレーシア・グリーンテクノロジー・コーポレーション(MGTC: エネルギーセクターCDM事務局)の担当者より、必要ではないとの見解を得ている。
追加性の証明 本プロジェクトは、日本通運(日本)が自社の経営活動において、社会貢献の一環として実施する自主的活動である。
 本プロジェクトにおいて適用予定の方法論は、日本通運グループが三菱UFJモルガン・スタンレー証券と共同で作成したものであり、申請時に添付したPDDはNTSを対象フィールドとしたものである。この点からも、本プロジェクトが当初よりCDMプロジェクトとして構想されたものと捉えられる。
 また、現在のところマレーシアの物流業のみならず、国全体においてデジタコの装着は普及していないことが、MGTC、交通省およびシステム提供事業者である富士通へのインタビューにより確認ずみである。
 本プロジェクトの追加性の証明については、「First-of-its-kind(その種の初)」の適用を検討していたが、調査中に新しいガイドラインが承認された。基本的に引き続き「その種の初」での追加性実証が可能と考えるが、当該ガイドラインはまだ採用事例がないことから、有効化審査開始に先立ち、念入りな準備を整え臨む必要があると考える。
事業化に向けて 本プロジェクトの事業化に関しては、2012年の12月開始を想定している。
 PoA-DDのバリデーションは、2012年前半を想定している。
プログラム型CDMの普及シナリオ 将来追加されるCPAの候補としては、マレーシア日本通運のポートケラン海運支店の車両を対象としたプロジェクトである。まず、同所において、データを適切に蓄積してベースラインの算出に用いることができるような管理体制の構築を目指していく。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 「コベネフィット定量評価マニュアル」における評価対象のうち、本プロジェクトに該当するものは窒素酸化物(NOx)である。
 日本国内の既存調査より、CO2排出量とNOx排出量との相関式が導出される。
    y = 0.0057x - 0.0485

    x :CO2排出量(gCO2)、y :NOx排出量(gNOx

 1stCPAで見込まれるCO2排出削減量255tCO2/年をこの式に代入すると、NOxの排出削減量は1.45tNOx/年となる。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 日本国内の既存調査より、デジタコ導入およびエコドライブの実施によって相当割合の交通事故削減が見込まれる。
 マレーシアでデシタコが広く普及した場合の交通事故減少効果を大まかに試算すると、年間の事故件数は-22,649件、負傷者数は-1,406人、死亡者数は-384人となる。

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