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CDM/JI事業調査結果データベース

調査名中国・天津市経済技術開発区における省エネルギー推進プログラムCDM事業調査
調査年度2007(平成19)年度
調査団体イー・アンド・イーソリューションズ株式会社
調査協力機関日本エナジーイニシアティヴ株式会社、TEDA管理委員会
調査対象国・地域中国・天津市・天津経済技術開発区(Tianjin Economic-Technological Development Area;TEDA)
対象技術分野省エネ
対象削減ガス二酸化炭素(CO2)
CDM/JICDM
プロジェクト実施期間/
クレジット獲得期間
PoA:2008〜2036(28年間)
CPA:上記期間内で10年間・更新無しまたは7年間×最大2回更新
報告書
プロジェクト概要 TEDAにおいては、地域熱供給プラントにおいて集中的に蒸気を生産し、域内の工場への供給を行っている。供給先の工場における蒸気消費の結果生じるドレンは、現状では回収が行われておらず、大量のエネルギーのロスとなっている。本プロジェクトは、ドレン回収をプログラムCDMのスキームを利用して推進するものであり、域内での総合的な省エネルギー推進プログラムの一環として計画される。このプロジェクトの実施により、ボイラでの石炭消費量が削減され、CO2の排出削減が図られる。
ベースラインの設定・追加性の証明 本プロジェクトにおいて採用される方法論は、小規模方法論“AMS II. B. Supply side energy efficiency improvements – generation (Version 09)”である。当該方法論に基づき、ベースラインは現状のエネルギー消費量(ベースラインボイラ効率)に基づいて算定され、追加性はバリア分析により証明される。本プロジェクトは、以下のような複数の実施を妨げるバリアに直面しており、CDMによりそれらが取り除かれることから、追加性を有する。
@投資バリア
  • ドレン回収利用設備、ドレン回収配管等の導入には新たな設備投資が必要となる
  • 回収されたドレンは地域熱供給プラントでのボイラ給水として利用されるため、工場側にはクレジット抜きでは経済的なメリットが生じない
A技術バリア
  • ドレン回収設備の維持管理技術を有する技術者の新たな雇用や訓練が必要となる
  • ドレンへの不純物混入によりボイラ給水の水質が低下した場合、ボイラにスケール障害・キャリーオーバ障害などの様々な問題が生じ、ボイラの熱効率の低下のみならず、蒸発管や配管の閉塞や損傷、ボイラ破裂事故の原因となりうる
GHG削減量 今回調査対象とされたSSC-CPA候補である民間A工場における年間排出削減量は、約2.3万tCO2e、プロジェクト実施期間10年間における排出削減量は約23万tCO2eと予測される。本ドレン回収プログラムCDMのPoAに基づくCPAの数はプロジェクトの開始後に増加することが予測され、CPAの数の増加に伴い、排出削減量も増加する。
モニタリング 本PoAの下のSSC-CPAによる排出削減量を算定するために必要なモニタリング・パラメータとしては、回収したドレンの比エンタルピ、ボイラ補給水の比エンタルピ、ドレンの回収量が含まれる。ドレンの比エンタルピは、連続あるいは月1回以上の頻度で行われるドレンの温度の測定値から、補給水の比エンタルピは月1回以上の頻度で行われる水温の測定値から決定される。ドレンの回収量については、ドレン回収配管に設置された流量計により連続測定を行う。これらのパラメータのモニタリングは、地域熱供給プラントにおいて実施される。
モニタリングに用いられる温度計と流量計は、中国の基準に適合したものを用い、基準に規定された頻度・方法で校正を行う。
環境影響等 本PoAの下のSSC-CPAは、以下に示すような共通の技術を導入して実施される。
  • 蒸気生産者:ドレンフィルター、所内ドレン回収配管
  • 蒸気配給者:蒸気消費者〜蒸気生産者間のドレン回収配管
  • 蒸気消費者:ドレンタンク、所内ドレン回収配管、ドレン返送ポンプ
 これらのうち、ドレン回収配管及びドレンタンクは、TEDA内の工業地区/商業地域に建設されるものであり、稼動のための動力を必要としない。また、ドレンフィルターやドレン返送ポンプは、稼動の際に騒音を発生する可能性があるが、これらは工場の敷地内に設置され、中国の基準を遵守するように対策を講じることで、周辺地域への影響を最低限に抑えることができる。従って、本プロジェクトの実施がTEDA域内及び域外への重大な環境影響を発生する可能性は低い。
事業化に向けて 本プロジェクトの事業化に当たっては、以下のような課題が認識されており、今後もカウンターパートとの協議を継続して課題を解決し、プロジェクトの迅速な実現を図る計画である。
@インセンティブの付与と利益の再配分:
    現状においては、ドレン回収による省エネメリットを工場側が享受できないことや、TEDAにおけるドレン回収の成功事例が皆無に等しいことから、本プログラムCDMへの参加を躊躇する企業も少なからず存在する。この状況を改善するためには、利益の再配分や工場側へのインセンティブ付与の方法について検討し、関係者間の合意形成を図る必要がある。
Aドレン回収技術に係るキャパシティビルディング:
    プログラムCDMへの参加可能性を有する工場においては、ドレン回収技術に係る知識・技術および経験を有する技術者が不足あるいは不在の状況にある。このため、プログラムCDMの普及拡大と同時に、参加企業への技術移転や訓練が必要となる。また、調整管理組織に対してもCDMに係るキャパシティビルディングを実施する必要がある。

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