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CDM/JI事業調査結果データベース

調査名フィリピン・ボホール島エミッションフリー・コミュニティー・プログラムCDM調査
調査年度2007(平成19)年度
調査団体(株)エックス都市研究所
調査協力機関鹿島建設(株)、ボホール州政府、APCC社
調査対象国・地域フィリピン(ボホール州)
対象技術分野廃棄物管理
対象削減ガスメタン(CH4)
CDM/JICDM
プロジェクト実施期間/
クレジット獲得期間
2009〜2023/2009〜2015
報告書
プロジェクト概要 フィリピンでは2000年に制定した生態的固形廃棄物管理法(RA9003)の中で、最終処分量の25%を削減すること、最終処分場を2006年までにオープンダンピングから衛生埋立処分場に転換することを定め、ごみの選別、コンポストによる減量化を強く推奨しているが、これを普及するプログラムについては、自治体レベルでの具体策の検討はほとんどなされていないのが実態である。
 本PoAの対象地域であるボホール州(州都タグビララン)は、48自治体で構成される人口114万人の州であり、アジア太平洋地域の自治体として初のISO14001を取得するなど環境問題に対する取組みが非常に熱心な州である。同州においてもRA9003を受け、衛生埋立処分場の建設を推進しているが、財政上の問題から難航し、州政府が推奨するコミュニティーレベルでのコンポスト化はごくわずかに留まっている。
 本プロジェクトは、ボホール州の環境に対する先進的な取組みをコンポストCDMプロジェクトの推進により補強し、プログラムCDMを活用したCERによる資金面、技術面のバックアップを行うことにより、ボホール州の全てのコミュニティーにおける廃棄物問題の解決と、より効果的かつ迅速な温暖化ガス削減策のコベネフィッツの実現を目的とする。さらに、本プロジェクトの成功により、同様の問題を抱える途上国の自治体に対する成功モデルとし、同様のプロジェクト普及に向けた足がかりとすることを目標としている。
 本プロジェクトでは、州内を5つのクラスターに分割し、各クラスター内で地域特性を考慮した最適なコンポスト技術を選定することができるよう、コンポスト事業規模や廃棄物性状によって選択可能な3種のオプションを設定し、プログラムCDMの下に事業を推進する。
ベースラインの設定・追加性の証明 ボホール州では、開放型埋立処分場と管理型埋立処分場(16自治体)(一定の層ごとに覆土を実施)が主な廃棄物処分方式である。また、ボホール州では廃棄物の回収率は高くなく、回収が行なわれているエリア内の人口は州内全体の55%に留まっている。廃棄物回収が行なわれない地域では、自治体は裏庭コンポストを推進しているというが、実態は野積み処理であり、これも分解過程でメタンを発生していると考えられる。一方、コンポスト施設については小規模の施設が7箇所(1箇所は稼動していない)に設置されたのみで、それ以上の導入は進んでいない。この理由は、コンポスト製造コストに見合うコンポスト販売収益が見込めないことから、事業として成立しないためであると考えられる。以上より、本プロジェクトのベースラインとしては廃棄物が埋立処分され、嫌気発酵過程でメタンを排出しているシナリオを想定した。
 追加性は、コンポスト製品の有価での販売が見込めないことによる投資バリア、及び、現状においてボホール州では小規模のコンポスト施設が7箇所設置されたに留まり99%以上の廃棄物は埋立て処分されている現状による一般的な普及に伴うバリアが、本PoA下で実施するいずれのCPAのケースにおいても該当すると考えられる。
GHG削減量 小規模方法論タイプIII.F.「コンポスト化によるバイオマス腐敗からのメタン生成回避」及び、第35回CDM理事会で改訂された” 処分場廃棄物からのメタン発生量決定ツール”に基づき算定した結果、ボホール州における現在回収している廃棄物を全て本PoA下でコンポストした場合、2009年から2015年までの7年間で合計83,813tCO2e(年間平均11,973tCO2e)のクレジット獲得が見込まれた。規模別では、日量10tの廃棄物(有機・無機混合)を受け入れるCPAではクレジット期間中に合計3,367tCO2e(年間平均481tCO2)、日量50tのCPAでは16,837tCO2e(2,405tCO2e)、日量100tの大規模CPAでは72,735tCO2e(年間平均10.391tCO2e)のクレジット獲得が見込まれる。
モニタリング ベースライン方法論と同様に、小規模方法論タイプIII.F.「コンポスト化によるバイオマス腐敗からのメタン生成回避」及び、” 処分場廃棄物からのメタン発生量決定ツール”に基づき決定した。モニタリングの実施については、本プログラムCDMの運営主体であるボホール州政府が実施する項目と、個別のCPAを実施する自治体と、それぞれの実施事項を設定した。
環境影響等 環境影響評価制度が定められている環境影響評価システム法令によると、日量15ton以上の廃棄物を取扱う施設で、かつ、環境的に脆弱な地域に立地する施設に関しては環境影響評価の実施が義務付けられるが、本PoA下で実施するプロジェクトに関しては、上記条件に該当しないよう、プロジェクトサイトを選定する。環境影響評価の実施が必要ないプロジェクトは、施設の環境管理に関する書面を環境天然資源省に提出する。
事業化に向けて事業化に向けた主な課題は以下の3点である。
@CPAの事業計画
自治体間連携を必要とするCPAの形成には、各自治体間の合意を得て、廃棄物の受入れ費用の設定や、コンポスト施設の費用分担などについて、個別の協議を引き続き実施する必要がある。この中で最も重要となるのが、州都であるタグビララン市の巻き込みである。同市は現在、ドイツ民間企業よりコンポスト施設を含む廃棄物処理やリサイクルに関する包括的なプロジェクトのオファーを受けているが、廃棄物処理費の経済メリット、事業リスクなどの観点から日本側からどれだけ魅力のある提案を行なえるかがポイントとなる。
Aごみ収集率の向上
現時点においては、ボホール州のごみ収集率は低いレベルに留まっている。有機廃棄物を回収できるかによってクレジット獲得量が大きく変化するため、各自治体がごみ収集率の向上のために捻出可能な予算額を議論すると共に、バランガイレベルでの自転車リヤカーとごみ収集車を組み合わせた安価なで効率的な収集手段についても議論することが必要となる。
Bコンポスト基金の運営
本CDMプロジェクトの資金管理を行なうコンポスト基金について、今後、以下の事項の検討が必要となる。監査機関の選定については、資金運営に公正に行なわれるよう信頼ある第三者に委託することが重要となる。
  • 各CPAからの運営費用回収方法(運営費用としてのCERの上納ルール)
  • コンポスト基金運営のための新規スタッフ雇用
  • コンポスト基金の約款の策定
監査機関の選定(資金運営が公正に行なわれるよう、監査機関の設置が必要)

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