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CDM/JI事業調査結果データベース

調査名ウクライナにおける家畜排泄物を主な原料とする有機性廃棄物(バイオマス)のリサイクル事業の可能性調査
調査年度2001(平成13)年度
調査団体(特)日本ピーエフアイ協会
調査対象国・地域ウクライナ(ハリコフ州)
調査段階プロセス2:プロジェクトの実現可能性の調査
調査概要ウクライナでは家畜の排泄物をはじめとする有機性廃棄物のほとんどが野積みや素掘りなどの不適切な処理のまま放置されメタンが発生している。日本で実用化されているGM方式(備考参照)を導入することにより、バイオマス系廃棄物から土壌改良材を製造し、長年の単一作物粗放農業によって痛んだ耕地の再生に役立てるとともに、温室効果ガスの排出抑制を図る。同時に嫌気性発酵処理についても検討する。
調査協力機関ウクライナ環境問題研究所、オリホヴァートカ社
調


プロセス1※1(調査対象外)
※2




プロジェクト概要ウクライナ東部ハリコフ州、ノヴォ・ヴォドラーア地区にある家畜頭数500頭、家禽頭数27000羽を抱えている農業企業オリホヴァートカ社では、年間約3000トンの糞尿を集積し、堆肥化などの処理を施している。本プロジェクトでは、このオリホヴァートカ社にGM方式を導入する。
対象GHGガスメタン
対象技術分野バイオマス利用
CDM/JIJI
実施期間10年
ベースライン オリホヴァートカ社では、家畜・家禽糞を堆肥として好気的処理を行っているため、メタン、亜酸化窒素の発生はなく、二酸化炭素及びアンモニアが大気中に揮散している。この二酸化炭素は、バイオマス起源であるのでIPCCガイドラインによると、GHG排出とカウントしない。よって、ベースライン排出量は0と考えられる。

※参考
現地において家畜・家禽等の堆肥を採集し分析した結果、炭素分は34.2%であった。よって年間3000トンの堆肥から大気中に揮散する二酸化炭素は1,029t-CO2/年と推計された。
GHG削減量 家畜・家禽等の有機性廃棄物は大半がそのまま周辺に投棄されるか、堆肥にされており、自然の物質循環に組み込まれており、問題とすべき量のGHGは発生していない。このため、GM方式の導入による温室効果ガスの目立った排出削減は、期待できないことがわかった。

※参考
プロジェクト実施による二酸化炭素の排出量。
(1)使用電力による二酸化炭素
石炭発電を想定し、48,000kWh使用したと想定すると、40.7t-CO2
(2)輸送機のガソリン使用量に伴う二酸化炭素
走行距離120,000km、燃費4km/lとすると36t-CO2
費用1日12トンの処理能力をもつGM設備が、我が国において製造され、ウクライナへ輸出された後、据付・運転指導などが行われた場合のコストは約157,880,000円。(表1)

費用/GHG削減量GHG削減量不明のため算定せず。
モニタリングモニタリングはウクライナ環境問題研究所が次の項目に関して年2回実施する。

・家畜・家禽などの飼養頭羽数
・GM方式の機械・設備稼働時間
・GM方式により処理された糞尿量
・GM方式により処理された糞尿以外の原料の種類と数量
・GM方式の副資材「有機物・石灰複合体」の産出量と商品化量及びその価格
・機械・設備、輸送機の保守等の経費
・生石灰の使用量と単位価格
・電気使用量と単位価格
・輸送機の燃料使用量と燃料単位価格
・選任職員数と人件費
GHG削減以外の影響・化学肥料の施肥効果による地力低減した農地の生産性回復に寄与する。
・化学肥料の施肥料を代替する。
・ポドゾル(灰白土壌)など低生産性の土地の再生により農地の拡大が期待できる。
・活性汚泥法処理に代替することによりエネルギー消費を節約することができる。
・関連設備のメーカー及び石灰再就業者に事業の拡大及び雇用機会を与える。
・資源の有限性に関する社会的理解が高まる。
・衛生的、文化的環境への関心が高まる。
・副次的収益の獲得により生活のゆとりがもたらされる。
・環境負荷となる有害物質の排出はない。
・GM方式の処理プロセスにおいては、二次、三次処理を必要とする副産物は一切出ない。
実現可能性・ウクライナ環境・天然資源省は農業・畜産業における環境保全、資源リサイクル技術の開発・導入に積極的である。
・対象地域では家畜の排泄物等のリサイクルに関する社会的タブーは存在しない。
・現在、化学肥料の高騰によって農地や飼料栽培地への施肥料が絶対的に不足しており、家畜・家禽排泄物等の有機性廃棄物の有効利用による収益増大に強い関心がある。
・オリホヴァートカ社においても現在の年間売上高が6000万円ほどであり、GM方式の機械・設備を自費で購入することは不可能である。日本の積極的な支援は不可欠である。
他地域への普及効果 ハリコフ州はウクライナの東部に位置し、ウクライナの平均的な気象条件、土壌・地理的条件を有している。このため、本プロジェクトの事業性が確認されれば、全ウクライナにおいて適用可能である。
 
 またウクライナに隣接する、ロシア南部、ベラルーシ南部、ポーランド、ハンガリー、スロベキア、モルドバ、ルーマニアにおいても気候、土壌・地理的条件などが類似しており、ウクライナにおける成果を適用可能である。
プロセス3※3(調査対象外)
報告書FS200102.pdf(PDFファイル 409KB)
調査評価・温室効果ガス対策の効果を評価し、適正に推進できれば意義はあるが、定量化がなされていないため、JIプロジェクトとしては評価できない。
・極めて小規模なプロジェクトに関する検討であり、国全体への影響を検討する意味は小さい。
・啓発普及などを含む、中期的な継続が必要である。
・農業政策との関連がより大きく、単なるJIとして検討することが必要。
・寒冷、酸性土壌のウクライナに適した土壌改良材製造プロジェクトとして評価できる。ただし、長年にわたって有機性改良材を投与しつづけた場合の土壌への影響は今後の検討課題である。全量を有機物・石灰に変換するのではなく、他の手法との併合も検討の余地があると思われる。特にメタン発酵との比較検討が必要である。
・化学肥料の生産に伴う二酸化炭素の排出削減が期待できるが定量化されていない。
備考・GM(グリーンマイティー)方式
 家畜の排泄物などの有機性廃棄物を化学的プロセスにより処理し、副資材として産する土壌改良材(有機物・石灰複合体)をリサイクル資材として活用するもの。簡便な装置で大量の廃棄物の処理が可能であり、寒冷地においても適用でき、副資材の活用により農地の地力回復に顕著な効果がある。さらに有機性廃棄物の処理の過程で発生するCO2を有機物・石灰複合体から腐植物質へ全量転化するため、温室効果ガスの削減効果がある。
 
※1. プロセス1:
具体的なF/S案件を発掘するため、対象国や技術分野を特定せずに、CDM/JIとして広い可能性を考慮した基礎的な調査
※2. プロセス2:
具体的な調査対象国・調査地域、対象技術分野を前提とした実現可能性調査
※3. プロセス3:
実際に炭素クレジット獲得に向け、プロジェクト設計書の作成、バリデーション、炭素クレジットの投資探しなど、F/S終了後に当たるプロセスを行う調査


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