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CDM/JI事業調査結果データベース

調査名モンゴル森林再生計画支援事業調査
調査年度1999(平成11)、2000(平成12)年度
調査団体(財)ひょうご環境創造協会
調査対象国・地域モンゴル(中央県・セレンゲ県)
調査段階プロセス2:プロジェクトの実現可能性の調査
調査概要大規模な森林火災により失われた森林の再生を支援するため、モンゴルの気候・風土に調和した植林樹種選定、植林区域及び周辺での調査、植林試験調査等を実施するとともに、その温室効果ガス吸収効果について調査する。
調査協力機関モンゴル政府自然環境省
調


プロセス1※1(調査対象外)
※2




プロジェクト概要モンゴルSelenge県Altanbulag郡Tujiin nars地域5000haを対象に、欧州アカマツを1haあたり1200本植林するプロジェクト。実施スケジュールは表1に示すように、最初の3ヵ年で順次種子をを採取・調整して苗木を生産し、3年目、4年目に1700ha、5年目に1600haの植林を行う。

対象GHGガス二酸化炭素
対象技術分野植林
CDM/JICDM
実施期間2001年から2012年の12年間
ベースライン ベースラインは、本プロジェクトの対象地域であるTujiin nars 地域の火災後の自然更新状態における樹木によって吸収される二酸化炭素である。次のような考え方でこれを予測した。

1)当該地域における火災後自然再生した天然林の材積および年間成長量データを取得できなかったので、当該地域と火災跡地の自然更新状況が非常に類似しており、火災後20年が経過しているTov県Erdene郡Khoit-gol地区など5地区の材積および年間成長量のデータ(0.038284m3/ha)を用いて計算することにした。

2)樹幹析解を行った25年生植林木カラマツの定期成長量から、樹齢20年の成長量を基準としてベースライン補正係数次のように設定した。

<例>10年目のベースライン補正係数
    = 10年生カラマツの定期成長量÷20年生カラマツの定期成長量
    = 4.57cm3/年÷5,554.49cm3/年=0.00824

3)ベースラインケースの年間成長量(m3/ha/年)を5年きざみで算出することとし、植林後20年のベースライン基準値に補正係数をかけて年間成長量(m3/ha/年)を算出した。

<例>植林後10年の年間成長量 
     = 植林後20年の年間成長量×補正係数 
     = 0.038284m3/ha × 0.00824 = 0.000315m3/ha/年

以上の手順により、植林後の経過年数ごとの年間成長量を求めた(表2)。

GHG削減量年間GHG貯蔵量(tCO2/ha/年) 
=(プロジェクトケースの年間成長量 − ベースラインケースの年間成長量)× 枝・根係数 × 絶乾比重 × 炭素含有率 × 44/12

ただし
・年間成長量(m3/ha/年):本プロジェクト対象地区近辺における人工林(樹齢13年、および樹齢18年植林木合計4本)の樹幹析解に基づいて求められる1haの年間成長量
・ベースライン量:表2
・枝・根係数:モンゴル国での枝・根係数が判明しなかったので、日本の樹木の数値(2.13)を用いた。
・絶乾重量:0.45
・炭素含有量:0.5
 
 表3より、2001〜2012年の年度ごとのGHG貯蔵量、本プロジェクトによるGHG吸収量は15,836.3t-CO2と試算された。



 なお、GHG排出要因である植林に関わるトラクターやスタッフ、作業員運搬用の車の燃料による炭酸ガス排出量は影響度が非常に少ないと考え、無視した。

 以上より本プロジェクトにより吸収されるGHGは15,836.3t-CO2
費用 育苗費、植林費用、森林管理費、専門家派遣費用をあわせて、1,417.2百万Tg(155,892千円)である。
費用/GHG削減量155,892 ÷ 15,836.3 = 9,844円/t‐CO2
モニタリングモニタリングを次の時期に分けて実施する。
・植林を行う時期のモニタリング(春季)
・植林後のモニタリング
・国の森林として人工林を認定する時期のモニタリング

各段階のモニタリングの調査項目は表4のようである。

GHG削減以外の影響○地域経済への影響

・林業分野での雇用の創出(50〜70人)
・専門家の派遣、森林管理手法の普及など技術移転、技術改善による林業の発展
・植生、生物の生態系の回復による農林牧畜産業の発展
・関連する道路、輸送、倉庫などのインフラ整備

○モンゴル国植林事業への影響

 本プロジェクトでは最近のモンゴル国政府が実施してきた植林(年間約5000ha)の約1/3規模の植林を推進することを計画しており、同国の植林事業のみならず、林産業の活性化と発展にも好影響を及ぼすものと考えられる。大規模な育苗場の整備拡充は、長期的な観点からもモンゴル国の将来の植林事業を支援するものである。
実現可能性・tujiin nars の植林可能地域では、家畜と接する場所があり、家畜による食害が懸念される。しかし、家畜の影響をうけない植林地を選定するかあるいは、一部策を設けるなど管理を徹底すれば十分回避できると考えられる。

・モンゴル国は森林管理の手法や技術が整備されつつあり、また森林火災防止管理システムの強化と火災対策についても各種の方策を強化し、実行している。Selenge県では、森林保護官を36名配置して森林管理に当っている。モンゴル国は今後年間約8000ha以上を植林する計画であり、これらの実績と政府および地方政府の植林に対する意気込みからも、植林の管理については十分対応できると考えられる。
他地域への普及効果
プロセス3※3(調査対象外)
報告書
調査評価・天然林、CDMによる植林及び森林火災後の二次林の生長の関係が不明確であり、評価が難しい。

・このプロジェクトはかなり大規模な植林を想定しているが、実施主体であるモンゴル政府関係機関の実施・管理能力に関する検討が十分であるとはいえないが、残された課題を今後解決し、温室効果ガス対策への貢献を期待したい。

・本プロジェクトは重要な課題であり、残された課題を今後解決し、温室効果ガス対策への貢献を期待したい。
備考
 
※1. プロセス1:
具体的なF/S案件を発掘するため、対象国や技術分野を特定せずに、CDM/JIとして広い可能性を考慮した基礎的な調査
※2. プロセス2:
具体的な調査対象国・調査地域、対象技術分野を前提とした実現可能性調査
※3. プロセス3:
実際に炭素クレジット獲得に向け、プロジェクト設計書の作成、バリデーション、炭素クレジットの投資探しなど、F/S終了後に当たるプロセスを行う調査


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